血小板から放出されるのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第64回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
血小板が活性化されると、アラキドン酸カスケードを経てトロンボキサンA2(TXA2)が産生され、血小板から放出されます。TXA2は強力な血管収縮作用と血小板凝集促進作用を持ち、止血において中心的な役割を担います。
選択肢ごとの解説
- 1. コラーゲンは血管内皮下の結合組織に存在するタンパク質であり、血小板が接着する足場となりますが、血小板自身から放出される物質ではありません。正しくは:コラーゲンは血小板が接着する対象となる物質である。選びやすい理由:血小板凝集に関わる物質なので、放出されると誤解しやすい。混同注意:血小板の接着・活性化因子(ADP、セロトニン、トロンボキサンA2など)と、血小板が接着する受容体・足場となる物質(コラーゲン、フォン・ヴィルブランド因子など)
- 2. エピネフリン(アドレナリン)は副腎髄質から分泌されるホルモンであり、血小板の活性化を促進しますが、血小板自体から放出される物質ではありません。正しくは:エピネフリンは血小板の活性化を促すホルモンである。選びやすい理由:血小板の活性化を促す作用があるので、放出される物質と誤解しやすい。混同注意:血小板を活性化する因子(ADP、セロトニン、トロンボキサンA2、トロンビンなど)と、血小板の機能に影響を与える全身性ホルモン(エピネフリンなど)
- 3. リストセチンは、フォン・ヴィルブランド因子(vWF)と血小板膜糖タンパク質Ib(GP Ib)との結合を促進させる抗生物質で、vWFの機能を検査する際に用いられる試薬です。生体内で血小板から放出される物質ではありません。正しくは:リストセチンは、フォン・ヴィルブランド因子と血小板の結合を促進させる検査試薬である。選びやすい理由:血小板凝集能検査で使われるため、血小板関連物質と誤解しやすい。混同注意:血小板凝集を誘発する生体内物質(ADP、コラーゲンなど)と、検査試薬(リストセチンなど)
- 4. 正解。トロンボキサンA2(TXA2)は、血小板内でアラキドン酸から生成され、血小板の活性化や凝集、血管収縮を強力に促進する脂質メディエーターです。血小板から速やかに放出され、止血において重要な役割を果たします。正しくは:正答
- 5. トロンボモジュリンは血管内皮細胞の表面に存在する膜タンパク質であり、トロンビンと結合することでプロテインCを活性化し、凝固を抑制する作用を持ちます。血小板から放出される物質ではありません。正しくは:トロンボモジュリンは血管内皮細胞に存在する凝固抑制因子である。選びやすい理由:トロンビンと名前が似ており、血液凝固・止血に関わるため、血小板関連物質と誤解しやすい。混同注意:血小板から放出される凝固・止血促進因子(トロンボキサンA2、ADPなど)と、血管内皮細胞が産生する凝固抑制因子(トロンボモジュリン、プロスタサイクリンなど)
国試ポイント
血小板の機能と、血小板から放出される主要な活性物質に関する知識が問われています。特に、血小板凝集に関わる物質の種類とその産生源を理解しているかが重要です。
混同注意
血小板の凝集・接着に関わる物質は多岐にわたるため、血小板そのものから放出されるもの、血小板が接着する足場となるもの、血小板の活性化を促す全身性の因子、検査試薬などを混同しやすい。
次に同じ論点が出たら
この論点が出題された場合、血小板から放出される主要な生理活性物質(ADP、セロトニン、トロンボキサンA2など)とその作用、および血小板の凝集・接着・放出反応を促す他の因子(コラーゲン、トロンビンなど)との区別が適切にできているかを判断します。
関連知識
血小板の活性化経路(Gタンパク質共役受容体、PLC-γ2)、アラキドン酸カスケード(シクロオキシゲナーゼ-1、トロンボキサン合成酵素)、血小板顆粒(α顆粒、濃染顆粒)に含まれる物質(ADP、セロトニン、PF4、β-TG、vWFなど)、血管内皮細胞由来の止血関連物質(プロスタサイクリン、NO、トロンボモジュリン、組織因子抑制因子TFPIなど)