末)神経について正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第65回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
シナプスにおける神経伝達は、神経伝達物質がシナプス前終末から放出され、シナプス後膜の受容体に結合することで情報が伝わるため、常に一方向性です。これにより、情報の逆流が防がれ、神経回路の機能が保たれます。
選択肢ごとの解説
- 1. 神経線維の伝導速度は温度に依存し、温度が低下すると伝導速度は遅くなります。正しくは:周囲温度が下がると、神経の伝導速度は低下します。選びやすい理由:温度変化が何らかの影響を与えることは知られているため、その方向性を誤解しやすい。混同注意:生体内の酵素反応のように、ある程度の温度上昇で活性が上がるというイメージと混同するかもしれないが、神経伝導は物理化学的な現象であり、温度低下はイオンチャネルの開閉速度や膜抵抗に影響して伝導を遅らせる。
- 2. 神経線維の分類において、Aα線維は最も太く有髄で、伝導速度が最も速いです。Aδ線維はそれよりも細く有髄であり、伝導速度はAα線維よりも遅いです。正しくは:Aα線維の伝導速度は、Aδ線維よりも速いです。選びやすい理由:A線維であるため、全てが速いと誤解する可能性がある。混同注意:神経線維の分類(Aα, Aβ, Aγ, Aδ, B, C線維)とそれぞれの伝導速度の大小関係を混同しやすい。
- 3. 正解。シナプス伝達は、神経伝達物質が放出されるシナプス前膜から、受容体が存在するシナプス後膜へと、決まった一方向にのみ行われます。これは、神経伝達物質の放出部位と受容体部位が限定されているためです。選びやすい理由:興奮伝導が軸索上では双方向に起こりうるが、シナプスでは一方向であるという区別ができていれば正答できる。
- 4. 有髄神経線維では、髄鞘があることで跳躍伝導が可能となり、無髄神経線維よりもはるかに速い速度で興奮が伝わります。正しくは:有髄神経線維の伝導速度は、無髄神経線維よりも速いです。選びやすい理由:「無」という言葉から、余計なものがないから速いと直感的に考えてしまうかもしれない。混同注意:有髄神経の髄鞘が絶縁体として機能し、イオン電流を節間で遮断することで、活動電位がランヴィエ絞輪間を『跳躍』して伝わる(跳躍伝導)というメカニズムを理解できていないと、逆に考えてしまう可能性がある。
- 5. 神経筋接合部(骨格筋)の主要な神経伝達物質はアセチルコリンです。ドパミンは主に中枢神経系で、運動調節、報酬系などに機能する伝達物質です。正しくは:神経筋接合部の主要な伝達物質はアセチルコリンです。選びやすい理由:神経伝達物質の種類が多いため、名称を混同しやすい。特にドパミンも神経伝達物質として有名なので、選びやすい。混同注意:様々な神経伝達物質(アセチルコリン、ノルアドレナリン、アドレナリン、セロトニン、ドパミン、GABA、グルタミン酸など)とそれらが作用する主な部位・機能の対応関係を混同しやすい。
国試ポイント
神経の基本的な生理学、特に神経伝導の速度に関わる要因(温度、髄鞘の有無、線維の種類)、およびシナプス伝達の基本原理(一方向性)、主要な神経伝達物質とその作用部位に関する知識が問われています。知識の正確性が重要です。
混同注意
神経線維の種類と伝導速度の大小関係、有髄・無髄の伝導メカニズム、シナプス伝達と軸索伝導の方向性の違い、様々な神経伝達物質とその主な作用部位。
次に同じ論点が出たら
同様の論点が出た場合は、神経線維の分類と特性(特に伝導速度)、シナプス伝達のメカニズムと特徴(特に一方向性)、主要な神経伝達物質とその作用部位の組み合わせが正確に理解できているかを確認する必要があります。
関連知識
神経線維の分類(A, B, C線維、Aα, Aβ, Aγ, Aδ)、跳躍伝導のメカニズム、神経伝達物質の種類とそれぞれの機能・作用部位(アセチルコリン、カテコールアミン、セロトニン、GABA、グルタミン酸など)。