溶液Aを30倍希釈して吸光度を測定したとき、0.300であった。この物質の測定波長におけるモル吸光係数を6,000 L・mol-1・cm-1とすると、溶液Aの濃度は何mmol/Lか。ただし、使用した光路長は1.0 cmとする。
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出典:厚生労働省ホームページ(第69回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
Beer-Lambertの法則(A = εbc)を用いて希釈後の濃度をmol/Lで算出し、それに希釈倍率を乗じて元の濃度を求めます。最後に、mol/Lからmmol/Lへの単位換算(1mol/L = 1000mmol/L)を正確に行うことで、最終的な解答が得られます。
選択肢ごとの解説
- 1. この値は、希釈後の濃度を求める際にモル吸光係数の桁を間違えたり、希釈倍率を3ではなく30と誤って適用したりした場合に算出される可能性があります。例えば、希釈倍率を考慮した後の濃度をmol/Lからmmol/Lへ変換する際に、1000倍でなく100倍を適用するような計算ミスが考えられます。正しくは:正しいモル吸光係数を用いて希釈後の濃度を計算し、その後、希釈倍率30を乗じ、最後にmol/Lからmmol/Lへ正しく換算する必要があります。選びやすい理由:希釈倍率の適用方法や、単位換算における桁数を誤ると、この選択肢を選んでしまいがちです。混同注意:希釈倍率の計算(乗算と除算)と、mol/Lからmmol/Lへの単位換算(1000倍)を混同しやすいです。
- 2. 正解。吸光度(A) = モル吸光係数(ε) × 光路長(b) × 濃度(c) の関係(Beer-Lambertの法則)を用います。まず、希釈後の濃度(c_diluted)を計算すると、c_diluted = A / (ε × b) = 0.300 / (6,000 L/(mol・cm) × 1.0 cm) = 0.00005 mol/Lとなります。元の溶液Aの濃度は、これを30倍希釈したものですから、c_A = c_diluted × 30 = 0.00005 mol/L × 30 = 0.0015 mol/Lです。最後に、単位をmol/Lからmmol/Lに変換するため1,000を乗じると、0.0015 mol/L × 1,000 = 1.5 mmol/Lとなります。
- 3. この値は、モル吸光係数(ε)の桁を誤って計算した場合に生じやすいです。例えば、モル吸光係数を6,000ではなく600 L/(mol・cm)と誤って計算すると、希釈後の濃度は0.300 / (600 × 1.0) = 0.0005 mol/Lとなります。これに希釈倍率30を乗じると0.015 mol/Lとなり、mmol/Lに変換すると15 mmol/Lになります。正しくは:モル吸光係数6,000 L/(mol・cm)を正しく用いて計算し、希釈倍率を正確に適用する必要があります。選びやすい理由:モル吸光係数の桁数を間違えたり、計算途中で小数点の位置を誤ったりすると、この値になりやすいため、注意が必要です。混同注意:モル吸光係数の数値や、計算過程での小数点の扱いに特に注意を払う必要があります。
- 4. この値は、モル吸光係数(ε)の桁を大きく誤って計算した場合に生じやすいです。例えば、モル吸光係数を6,000ではなく60 L/(mol・cm)と誤って計算すると、希釈後の濃度は0.300 / (60 × 1.0) = 0.005 mol/Lとなります。これに希釈倍率30を乗じると0.15 mol/Lとなり、mmol/Lに変換すると150 mmol/Lになります。正しくは:正しいモル吸光係数6,000 L/(mol・cm)と希釈倍率30を正確に適用し、慎重に計算を行う必要があります。選びやすい理由:モル吸光係数の桁数を大きく見誤ったり、単位換算を複数回間違えたりすると、この選択肢を選んでしまう可能性があります。混同注意:モル吸光係数の桁数と、計算の各ステップにおける単位換算の正確な理解が重要です。
- 5. この値は、モル吸光係数(ε)の桁を非常に大きく誤って計算した場合に生じます。例えば、モル吸光係数を6,000ではなく6 L/(mol・cm)と誤って計算すると、希釈後の濃度は0.300 / (6 × 1.0) = 0.05 mol/Lとなります。これに希釈倍率30を乗じると1.5 mol/Lとなり、mmol/Lに変換すると1,500 mmol/Lになります。正しくは:全ての数値、特にモル吸光係数の桁数を正確に確認し、計算プロセス全体を通じて注意深く進めることが大切です。選びやすい理由:複数の計算ミスが重なると、このように非常に大きな値を選択してしまう可能性があります。混同注意:計算過程でのあらゆる桁間違いや単位換算の誤りが複合的に作用すると、このような誤った結果につながります。
国試ポイント
ビール・ランバートの法則の基礎的な理解と、それを用いた濃度の計算能力が問われています。特に、希釈倍率の適用、モル吸光係数の正しい使用、およびmol/Lからmmol/Lへの単位換算といった、複数の計算ステップを正確に実行できるかがポイントです。計算ミスを誘う選択肢が用意されているため、注意深く計算を進める必要があります。
混同注意
希釈倍率を乗じるか割るかの判断ミス、mol/Lとmmol/Lの単位換算における桁間違い(1000倍し忘れる、あるいは誤って割る)、モル吸光係数(ε)の桁数を見誤るなどが主な混同点です。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出題された場合、まず問題文から吸光度(A)、モル吸光係数(ε)、光路長(b)、希釈倍率を正確に読み取ります。次に、Beer-Lambertの法則(c = A / (ε × b))を用いて希釈後の濃度を計算します。その後、希釈前の濃度を求めるために希釈倍率を正しく乗じ、最後に指定された単位(今回はmmol/L)に変換するステップを確実に行うように確認します。特に希釈倍率の適用と単位換算に注意し、計算の各ステップでの検算を心がけます。
関連知識
吸光光度分析の原理、Beer-Lambertの法則、モル吸光係数、希釈計算、濃度単位換算(mol/L、mmol/L)。