塩基性アミノ酸はどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第69回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2・3番
解説
アミノ酸の塩基性は、側鎖にプロトンを受け入れることができるアミノ基、グアニジノ基、またはイミダゾール基などの官能基を持つかどうかで決まります。アルギニンはグアニジノ基を、ヒスチジンはイミダゾール基をそれぞれ側鎖に持つため、これらは塩基性アミノ酸に分類されます。
選択肢ごとの解説
- 1. プロリンは環状構造を持つイミノ酸であり、側鎖にアミノ基やグアニジノ基、イミダゾール基といった塩基性を示す官能基を持っていません。そのため、塩基性アミノ酸には分類されません。正しくは:プロリンはイミノ酸であり、非極性アミノ酸に分類されます。選びやすい理由:アミノ酸の構造が多様であるため、特定の官能基を意識せずに、見た目の構造だけで判断しようとすると誤解しやすいかもしれません。また、一部のアミノ酸と似た名前の響きから混同することがあるかもしれません。混同注意:他の非極性アミノ酸や、特定の特徴(例えば芳香族アミノ酸)を持つアミノ酸との分類を混同することがあります。
- 2. 正解。アルギニンは側鎖にグアニジノ基を持つため、生理的pH(約7.4)においてこのグアニジノ基が正に帯電し、塩基性を示します。そのため、塩基性アミノ酸に分類されます。
- 3. 正解。ヒスチジンは側鎖にイミダゾール基を持つため、生理的pH(約7.4)に近いpKa値(約6.0)を持ち、このイミダゾール基がプロトンを受け入れることで塩基性を示します。そのため、塩基性アミノ酸に分類されます。
- 4. メチオニンは側鎖に硫黄を含むチオエーテル基を持つアミノ酸ですが、アミノ基やグアニジノ基、イミダゾール基といった塩基性を示す官能基を持っていません。そのため、塩基性アミノ酸には分類されません。正しくは:メチオニンは硫黄を含むアミノ酸であり、非極性アミノ酸に分類されます。選びやすい理由:硫黄を含むという特徴から、何らかの特別な分類に属すると考えるかもしれませんが、それが塩基性であるとは限りません。混同注意:システインのような他の硫黄含有アミノ酸や、極性アミノ酸と混同することがあります。
- 5. トリプトファンは側鎖にインドール環を持つ芳香族アミノ酸ですが、アミノ基やグアニジノ基、イミダゾール基といった塩基性を示す官能基を持っていません。そのため、塩基性アミノ酸には分類されません。正しくは:トリプトファンは芳香族アミノ酸であり、非極性アミノ酸に分類されます。選びやすい理由:芳香族環の複雑な構造から、特別な化学的性質を持つと考えるかもしれませんが、それが塩基性であるとは限りません。混同注意:チロシンやフェニルアラニンといった他の芳香族アミノ酸との混同や、極性アミノ酸と誤認することがあります。
国試ポイント
アミノ酸の分類(極性/非極性、酸性/塩基性、芳香族など)は、生化学分野で頻繁に問われる基本的な知識です。特に、側鎖の構造とそれが生理的pHで示す電荷との関係を理解しているかが試されます。「2つ選べ」という形式は、複数の正解肢の中から正しいものを確実に選ぶ正確な知識を要求します。
混同注意
アミノ酸の分類は多岐にわたるため、特に酸性アミノ酸(アスパラギン酸、グルタミン酸)と塩基性アミノ酸(リシン、アルギニン、ヒスチジン)の区別、また極性を持つが電荷を持たないアミノ酸(セリン、トレオニン、チロシン、アスパラギン、グルタミン、システイン)と非極性アミノ酸(アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、グリシン)との混同がよく見られます。各アミノ酸の側鎖の構造と特性を正確に覚えることが重要です。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出題された場合、まず各選択肢のアミノ酸の側鎖構造を頭の中で思い浮かべ、そこにアミノ基(-NH2)、グアニジノ基、イミダゾール基といった塩基性を示す官能基が存在するかを確認します。特に、pKa値が生理的pHに近いかそれより高いアミノ基を持つかどうかで判断します。
関連知識
ヒトのタンパク質を構成する20種類のアミノ酸には、それぞれ特定の側鎖構造があります。この側鎖の化学的性質(疎水性、親水性、電荷など)が、タンパク質の立体構造形成や機能に大きく影響します。塩基性アミノ酸は、タンパク質表面で正電荷を帯びることが多く、DNAとの結合や酵素活性部位の形成に関与することがあります。リシンも主要な塩基性アミノ酸の一つです。