関節リウマチの診断に用いられるのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第68回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
関節リウマチ(RA)の診断基準において、抗CCP抗体は非常に重要な項目の一つです。特に、リウマチ因子(RF)と比較してRAに対する特異性が高く(約90%以上)、RF陰性RAの診断にも有用とされています。また、早期RAの診断や関節破壊の進行予測にも関連すると言われています。他の選択肢の抗体はそれぞれ、1型糖尿病、シェーグレン症候群や全身性エリテマトーデス、自己免疫性甲状腺疾患、重症筋無力症など、異なる自己免疫疾患の診断マーカーであり、関節リウマチとは直接的な関連性はありません。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。抗CCP抗体は、関節リウマチの診断において非常に特異性が高く、リウマチ因子(RF)よりも早期に陽性化することがあります。早期診断や疾患活動性の評価、関節破壊の進行予測にも有用とされています。
- 2. 抗GAD抗体は、膵臓のβ細胞に存在するグルタミン酸脱炭酸酵素(GAD)に対する自己抗体で、主に1型糖尿病やスティッフパーソン症候群の診断に用いられるものです。関節リウマチの診断には関連しません。正しくは:主に1型糖尿病やスティッフパーソン症候群の診断に用いられます。選びやすい理由:自己免疫疾患の抗体であるため、他の自己免疫疾患との関連性を考えて誤って選択してしまう可能性があります。混同注意:他の自己免疫性内分泌疾患、特に膵臓関連の疾患に対する抗体と混同しやすいかもしれません。
- 3. 抗SS-A抗体は、シェーグレン症候群や全身性エリテマトーデス(SLE)といった膠原病の診断マーカーとして知られています。関節リウマチの診断に直接的に用いられることはありません。正しくは:シェーグレン症候群や全身性エリテマトーデス(SLE)の診断に用いられます。選びやすい理由:関節リウマチも膠原病の一種であるため、他の膠原病の関連抗体と混同しやすいです。混同注意:抗SS-B抗体や抗RNP抗体など、他の膠原病で陽性となる自己抗体と混同されることがあります。
- 4. 抗サイログロブリン抗体は、橋本病やバセドウ病などの自己免疫性甲状腺疾患の診断や病態把握に用いられる自己抗体です。関節リウマチとは関連がありません。正しくは:自己免疫性甲状腺疾患(橋本病、バセドウ病など)の診断に用いられます。選びやすい理由:自己免疫疾患の抗体という点では共通しているため、自己免疫疾患全般の知識が曖昧だと誤って選ぶ可能性があります。混同注意:抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体(抗TPO抗体)など、他の甲状腺関連の自己抗体と混同されることがあります。
- 5. 抗アセチルコリン受容体抗体は、重症筋無力症の診断において非常に重要な自己抗体です。神経筋接合部のアセチルコリン受容体に対する抗体であり、関節リウマチとは異なります。正しくは:重症筋無力症の診断に用いられます。選びやすい理由:自己免疫性の神経筋疾患の抗体ですが、自己免疫疾患という広いカテゴリで考えると間違える可能性があります。混同注意:重症筋無力症の他の抗体(抗MuSK抗体など)や、他の神経疾患関連の抗体と混同されることがあります。
国試ポイント
自己免疫疾患ごとの主要な診断マーカー(特に自己抗体)を正確に記憶しているかが問われます。疾患と抗体の組み合わせだけでなく、その抗体の特異性や感度、臨床的意義も理解している必要があります。複数の疾患で陽性になる抗体や、早期診断に有用な抗体など、細かな知識が問われることもあります。
混同注意
関節リウマチの診断で用いられるリウマチ因子(RF)と抗CCP抗体の違い(特に特異性の高さ)がよく混同されます。また、他の膠原病(全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群など)で陽性となる抗体(抗核抗体、抗SS-A抗体、抗RNP抗体など)と関節リウマチの抗体が混同されやすい傾向があります。
次に同じ論点が出たら
もし次回、同様の論点の問題が出題された場合、提示された抗体が『どの疾患の診断に主に用いられるか』『その抗体の特異性や感度はどの程度か』を正確に判断することが求められます。特に、『早期診断に有用な抗体は何か』や『既存のマーカーが陰性の場合に有用な抗体は何か』といった、より具体的な臨床的意義を問う応用問題にも対応できるようにしておきましょう。
関連知識
関節リウマチの診断基準(ACR/EULAR分類基準)、リウマチ因子(RF)の臨床的意義(感度は高いが特異度は低い)、CRPやESRなどの炎症マーカー、および他の自己免疫疾患(全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群、強皮症、橋本病、バセドウ病、1型糖尿病、重症筋無力症など)とその代表的な自己抗体について理解しておくことが重要です。