病理解剖について正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第64回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
病理解剖は、法的に医師免許を必須とする医療行為とはみなされません。そのため、専門的な知識と技術を持つ限り、医師以外の者でも実施することは可能です。ただし、通常は病理医が担当し、その報告書は医師が作成します。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。病理解剖は通常、病理医によって実施されますが、法的には医師免許が必須ではありません。ただし、その結果が診断や研究に用いられるため、高度な専門知識が求められます。正しくは:病理解剖は専門的な知識と技術を要するため、病理医が担当することが一般的ですが、法的に医師以外の者が実施することを妨げる規定はありません。選びやすい理由:医師が行う専門的な行為であるため、医師免許が必要だと誤解しやすい。混同注意:『医療行為』と『医学的解剖』の法的要件を混同すると間違える可能性がある。
- 2. 病理解剖の結果説明は、医学的な判断と専門知識を要するため、通常は病理医または担当医が行います。臨床検査技師は診断業務を補助しますが、直接遺族への説明は行いません。正しくは:遺族への解剖結果の説明は、医学的な判断が伴うため、病理医または担当医が行います。選びやすい理由:臨床検査技師が検査に関わるため、説明も行うと誤解するかもしれない。混同注意:臨床検査技師の業務範囲と医師の業務範囲を混同すると間違える。
- 3. 「死体解剖保存法」に基づき、遺体の引き取り人がいない場合でも、所定の手続き(例えば身元不明死体や遺族の同意が得られない場合など)を経て、監察医または病理医による解剖が行われることがあります。特に死因究明が重要視される場合などです。正しくは:遺体の引き取り人がいない場合でも、身元不明死体などの特定の状況下では、公衆衛生や死因究明のために解剖が行われることがあります。選びやすい理由:解剖には遺族の同意が前提となるケースが多いため、引き取り手がいなければ同意も得られず、実施できないと短絡的に考えてしまう。混同注意:通常の同意解剖と、公衆衛生上・死因究明上の解剖の法的根拠を混同すると間違える。
- 4. 病理解剖に「原則として死後48時間以内」という時間的制限は法的に定められていません。解剖は、病変の評価や組織変化の確認のために行われるため、時間が経過しても目的は達成可能です。ただし、新鮮な病変を観察するためには、できるだけ早期に行うのが望ましいとされます。正しくは:病理解剖に死後〇〇時間以内という法的な時間制限は設けられていません。ただし、より正確な病変評価のためには早期実施が望ましいとされています。選びやすい理由:司法解剖では早期実施が求められるため、病理解剖と混同しやすい。混同注意:司法解剖や行政解剖における早期実施の要請と、病理解剖における学術・研究目的の違いを混同すると間違える。
- 5. 日本の「死体解剖保存法」では、病理解剖を行うには原則として遺族(配偶者、直系血族、兄弟姉妹)の承諾が必要です。生前の本人の意思が確認されていても、遺族が反対すれば解剖は困難となるケースが多いです。正しくは:病理解剖には遺族の承諾が原則として必要であり、生前の本人の意思があっても遺族の反対があれば実施は困難となる場合があります。選びやすい理由:尊厳死や臓器提供などの生前の意思表示が尊重される他の医療行為と混同し、病理解剖も同様だと考えてしまう。混同注意:生前の意思表示の法的拘束力と、死後の遺体に関する権利(遺族の同意)の優先順位を混同すると間違える。
国試ポイント
病理解剖に関する法的側面と、臨床検査技師の業務範囲について問われています。特に、誰が解剖を実施できるか、誰が結果を説明するか、解剖実施の条件(時間、同意)について正確な知識が求められます。
混同注意
司法解剖や行政解剖と病理解剖の目的、法的根拠、実施条件の違い。また、医師の専門行為と医療行為の定義を混同しやすいです。
次に同じ論点が出たら
病理解剖の各段階(解剖前、解剖中、解剖後)における臨床検査技師の役割を説明できますか?
関連知識
死体解剖保存法、臨床検査技師法、医療行為の定義、病理解剖の目的(死因究明、病態解明、教育、研究)