健常成人の髄液所見はどれか。ただし、同時測定の血漿中グルコース濃度は100 mg/dLであった。
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出典:厚生労働省ホームページ(第72回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
健常成人の髄液グルコース濃度は、血漿中グルコース濃度の約2/3〜3/4が正常範囲です。血漿グルコースが100mg/dLの場合、髄液グルコースは67〜75mg/dLが正常値となります。選択肢5の70mg/dLはこの範囲内であるため正解です。他の選択肢は、色調、細胞数、蛋白質、クロール濃度のいずれも健常な髄液の正常範囲を逸脱した異常値です。
選択肢ごとの解説
- 1. 健常な髄液は、通常「無色透明」であるべきです。「黄色透明」は黄変(キサントクロミー)と呼ばれ、古くなった出血や高ビリルビン血症などの異常を示唆します。正しくは:無色透明選びやすい理由:「透明」という表現から、正常に近い印象を受けるかもしれませんが、「黄色」が付く点が異常を示します。混同注意:透明であることと、色がないことが正常な髄液の条件であり、混濁や着色は異常です。
- 2. 健常成人の髄液細胞数は、通常5個/μL未満(多くの場合0〜3個/μL)です。20個/μLは明らかに増加しており、髄膜炎などの炎症性疾患を示唆する異常所見です。正しくは:0〜5個/μL未満選びやすい理由:血液の白血球数と比べると非常に少ないため、正常範囲内と誤解する可能性があります。混同注意:血液細胞や他の体液の正常細胞数と混同しやすく、髄液の細胞数が極めて少ないことを理解していないと間違いやすいです。
- 3. 健常成人の髄液蛋白質濃度は、通常15〜45mg/dLと非常に低いです。100mg/dLは高値であり、髄膜炎、多発性硬化症、腫瘍など様々な病態で上昇する異常所見です。正しくは:15〜45mg/dL選びやすい理由:血漿中の蛋白質濃度(約6〜8g/dL)と比較すると低い値ですが、髄液の正常値としては明らかに高いです。混同注意:血漿と髄液の間での蛋白質濃度の大きな違いを理解していないと、異常値と認識しにくいことがあります。
- 4. 健常成人の髄液クロール濃度は、血漿中クロール濃度よりもやや高値を示し、通常120〜130mmol/L程度です。160mmol/Lは異常に高い値です。正しくは:120〜130mmol/L選びやすい理由:血漿よりもクロール濃度が高いという知識があっても、具体的な正常範囲の数値が曖昧だと判断が難しいかもしれません。混同注意:血漿中クロール濃度(約98〜107mmol/L)との相対的な関係を正確に覚えていないと、適切な判断ができません。
- 5. 正解。健常成人の髄液グルコース濃度は、血漿中グルコース濃度の約2/3〜3/4に相当します。設問の血漿グルコース濃度が100mg/dLの場合、髄液グルコースの正常範囲は約67〜75mg/dL(100mg/dLの2/3から3/4)です。したがって、70mg/dLはこの正常範囲内にあり、適切な値です。
国試ポイント
脳脊髄液(髄液)の基本的な正常所見(色調、細胞数、蛋白質、グルコース、クロール)に関する知識が問われています。特にグルコースについては、同時測定された血漿値との比率で判断させる問題が頻出です。
混同注意
髄液と血漿の間で、各成分の正常値が異なること(例:蛋白質は髄液で非常に低い、クロールは髄液でやや高い、グルコースは髄液で血漿の2/3〜3/4)を混同しやすい。また、各パラメータの具体的な正常範囲の数値も混同しやすいポイントです。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出た場合、特にグルコースは「血漿値の約2/3〜3/4」という比率を正確に覚えているかを確認し、他の項目も具体的な正常範囲の数値(細胞数<5/μL、蛋白質15-45mg/dL、クロール血漿よりやや高値)を思い出すようにします。
関連知識
髄膜炎(細菌性、ウイルス性)、脳出血、脳腫瘍、多発性硬化症など、様々な疾患における髄液検査結果の異常パターン(例:細菌性髄膜炎では細胞数・蛋白質増加、グルコース低下)。