血液製剤の細菌汚染対策のために重要なのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第65回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
血液製剤の細菌汚染は輸血後の重篤な合併症を引き起こす可能性があり、その対策は非常に重要です。中でも製剤の異常な外観(凝集塊、混濁、変色など)は細菌増殖のサインであることが多く、輸血前の目視確認は最も基本的かつ重要な汚染早期発見手段となります。他の選択肢は、それぞれGVHD予防、ウイルス感染症スクリーニング、輸血反応関連の検査・対策であり、細菌汚染対策とは目的が異なります。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。細菌汚染された血液製剤は、凝集塊、混濁、変色などの異常な外観を呈することが多く、目視による確認は最も基本的かつ重要な汚染早期発見手段です。
- 2. 放射線照射は、血液製剤中のTリンパ球を不活化し、移植片対宿主病(GVHD)を予防するために行われます。細菌を殺滅する効果は限定的であり、主な目的ではありません。正しくは:放射線照射は、移植片対宿主病(GVHD)を予防するために行われる。選びやすい理由:「細菌対策」という言葉から、殺菌効果のある放射線処理を連想しやすいですが、血液製剤の放射線照射の主目的は細菌殺滅ではありません。混同注意:輸血後GVHDの予防策と、細菌汚染対策を混同しやすい。
- 3. 核酸増幅検査(NAT)は、B型肝炎ウイルス(HBV)、C型肝炎ウイルス(HCV)、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)などのウイルス感染症の検出に用いられます。細菌の検出には通常用いられません。正しくは:核酸増幅検査(NAT)は、HBV、HCV、HIVなどのウイルス感染症の検出に用いられる。選びやすい理由:「検査」という言葉から、病原体検出全般に有効な方法だと誤解しやすい。混同注意:ウイルス感染症スクリーニングと細菌汚染スクリーニングを混同しやすい。
- 4. 抗HLA抗体検査は、輸血後急性肺障害(TRALI)や血小板輸血不応状態の原因となる抗HLA抗体の有無を調べる検査です。細菌汚染の有無とは直接関係ありません。正しくは:抗HLA抗体検査は、TRALIや血小板輸血不応状態の原因となる抗HLA抗体の有無を調べる検査である。選びやすい理由:「輸血の安全性に関わる検査」であるため、他の検査と区別がつきにくい。混同注意:輸血反応全般に対する検査と、細菌汚染に対する検査を混同しやすい。
- 5. トリプターゼは、アナフィラキシー反応などでマスト細胞が活性化された際に放出される酵素で、アレルギー反応の指標となります。細菌汚染の検出には関係ありません。正しくは:トリプターゼは、アナフィラキシー反応などのアレルギー反応の指標となる。選びやすい理由:輸血副作用全般に対する知識が曖昧だと、関連性の低い項目を選んでしまう可能性がある。混同注意:輸血に関連する可能性のある様々な生体反応の指標と、細菌汚染の指標を混同しやすい。
国試ポイント
輸血医学における血液製剤の安全性確保、特に細菌汚染対策の基本的な知識が問われています。各検査や処理の目的を正確に理解しているかが鍵となります。
混同注意
放射線照射(GVHD予防)、NAT(ウイルススクリーニング)、抗HLA抗体検査(TRALI/血小板輸血不応)など、他の輸血関連の安全対策や検査目的と混同しやすい。
次に同じ論点が出たら
血液製剤の安全性に関する問題が出た場合、それが「GVHD予防」「ウイルス感染症対策」「細菌汚染対策」「輸血反応対策」のいずれに関するものかを見極めることが重要です。
関連知識
血液製剤の保存期間と細菌汚染のリスク(特に血小板製剤)、輸血後の細菌感染症状、細菌汚染防止のための採血から製剤化までの管理体制。