輸血副反応のうち最も遅く発症するのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第67回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
輸血副反応の発症時期はそれぞれ異なります。細菌感染症、アレルギー反応、TRALI、TACOはいずれも輸血中または輸血後数時間から数日以内に発症する即時型〜比較的早期の副反応です。一方、輸血後GVHDは、輸血されたリンパ球がレシピエントの免疫系によって排除されずに生着し、レシピエントの組織を攻撃することで発症します。この免疫反応が起こり、臨床症状として現れるまでに輸血後1〜2週間、長い場合は4週間以上かかることがあり、選択肢の中で最も遅く発症する副反応です。
選択肢ごとの解説
- 1. 細菌感染症は輸血後数時間から数日以内に発症することが多い急性反応です。汚染された血液製剤によるもの。正しくは:細菌感染症の発症は輸血後数時間から数日以内です。選びやすい理由:感染症という点で遅れて発症する可能性を想像しやすいかもしれませんが、輸血による細菌感染症は比較的早期に出現します。混同注意:ウイルス感染症(肝炎ウイルス、HIVなど)であれば潜伏期間が長いため遅発性ですが、細菌感染症は急性です。
- 2. 正解。輸血後GVHDは、輸血されたリンパ球がレシピエントの組織を攻撃することで起こり、発症までに輸血後1〜2週間(多くは4〜30日程度)かかります。これは他の選択肢と比較して最も遅い発症です。
- 3. アレルギー反応(蕁麻疹、アナフィラキシーなど)は、輸血中または輸血後数時間以内に発症する即時型反応です。正しくは:アレルギー反応の発症は輸血中または輸血後数時間以内です。選びやすい理由:アレルギー反応の中には遅発性のものもありますが、輸血による一般的なアレルギー反応は即時型です。混同注意:遅発型アレルギーと混同する可能性がありますが、輸血副反応として問われるアレルギーは通常即時型です。
- 4. TRALIは輸血後6時間以内、多くは1~2時間以内に発症する急性肺障害です。即時型の重篤な副反応の一つです。正しくは:TRALIの発症は輸血後6時間以内(多くは1~2時間以内)です。選びやすい理由:症状が重篤であるため、発症までのタイムラグがあると思われがちですが、実際には非常に早期に発症します。混同注意:他の急性呼吸器症状(輸血関連循環過負荷など)と混同する可能性がありますが、TRALIは特異的な機序を持つ急性肺障害です。
- 5. TACOは、輸血中または輸血後6時間以内(多くは1~2時間以内)に発症する心負荷による肺水腫です。これも即時型の反応です。正しくは:TACOの発症は輸血中または輸血後6時間以内(多くは1~2時間以内)です。選びやすい理由:心疾患を持つ患者に起こりやすいため、慢性的な経過を想像しやすいかもしれませんが、症状の出現は急性のものです。混同注意:TRALIと症状が似ているため混同しやすいですが、機序が異なります(TACOは循環過負荷、TRALIは免疫反応による肺血管透過性亢進)。
国試ポイント
輸血副反応の種類とその発症時期を正確に理解しているかを問う問題です。特に、急性反応と遅発性反応の区別が重要であり、GVHDが最も遅発性である点を確実に覚えている必要があります。
混同注意
細菌感染症とウイルス感染症の潜伏期間の違い。また、アレルギー反応の即時型と遅延型(ただし輸血副反応では即時型が一般的)。TACOとTRALIの鑑別。
次に同じ論点が出たら
この論点に関して次に問われるとしたら、それぞれの副反応の具体的な症状、原因、予防法、治療法、または特定の患者背景と関連付けて出題される可能性が高いです。例えば、GVHDの具体的な症状や、それを予防するために血液製剤にどのような処理をするか、といった内容です。
関連知識
輸血後GVHDの予防法(放射線照射)、GVHDの主要症状(発熱、皮疹、肝機能障害、下痢)、輸血副反応全体の分類(免疫性/非免疫性、即時型/遅延型)。