生体組織の電気的特性について正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第65回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
生体組織、特に筋線維や神経線維のように特定の方向に構造が整列している組織は、電流の流れ方によって電気的抵抗や導電率が異なります。このような性質を電気的異方性と呼び、これは生体組織の重要な電気的特性の一つです。
選択肢ごとの解説
- 1. 生体組織の透磁率はほとんど真空の透磁率と変わらず、わずかに常磁性を示す程度です。鉄のような強磁性体とは比較にならないほど小さい値です。正しくは:結合組織の透磁率は、真空の透磁率とほぼ等しい。選びやすい理由:透磁率という専門用語に慣れていないと、生体組織が磁性を持つことについて誤解する可能性があります。混同注意:透磁率と導電率のような異なる物理量を混同する可能性や、生体が微弱な磁場を生成するという事実と混同する可能性があります。
- 2. 細胞膜は脂質二重層を主成分とし、イオンなどの荷電粒子の透過を制限するため、細胞質(主に水と電解質)よりもはるかに高い抵抗率を示します。細胞膜があるからこそ、細胞内外で電位差が保たれます。正しくは:細胞膜は細胞質よりも抵抗率が高い。選びやすい理由:細胞膜がさまざまな物質の輸送に関与していることから、電気的な透過性も高いと誤解する可能性があります。混同注意:細胞膜の選択的透過性と電気的抵抗を混同する可能性があります。
- 3. 正解。生体組織、特に筋組織や神経組織、骨組織などは繊維状構造を持つため、その電気的特性(導電率や誘電率など)は電流の流れる方向に対して異方性を示します。これは異方性と呼ばれ、生体電気インピーダンス測定において重要な要素です。選びやすい理由:この記述は一般的で、他の選択肢に比べて明確な間違いがないため、正しいと判断しやすいです。
- 4. 比誘電率は、物質が電場をどれだけ蓄えられるかを示す物理量であり、物質固有の特性です。主に周波数に依存しますが、電流の大きさに直接依存するものではありません。電流の大きさは印加される電圧や抵抗に依存します。正しくは:比誘電率は主に周波数に依存する。選びやすい理由:電気的な特性全般が電流や電圧の大きさに影響されると誤解しやすいですが、比誘電率は誘電体としての物質の性質です。混同注意:抵抗率や導電率など、電流の流しやすさに関わる他の電気的特性と混同する可能性があります。
- 5. 脂肪組織は水分含有量が少なく、電気伝導を担うイオンが少ないため、導電率は筋肉組織(水分と電解質が豊富)よりもはるかに低いです。筋肉組織は水分含有量が多く、電解質濃度も高いため、導電性が高いです。正しくは:脂肪組織は筋組織よりも導電率が低い。選びやすい理由:脂肪は絶縁体に近いが、完全に電気を通さないわけではないため、他の組織との比較でどちらが高いか迷うことがあります。混同注意:組織の見た目や他の物理的特性と導電率を混同する可能性があります。
国試ポイント
生体組織の基本的な電気的特性(導電率、抵抗率、誘電率、透磁率、異方性など)に関する知識が問われています。特に、各組織(脂肪、筋肉、骨など)の電気的特性の違いや、細胞レベルでの特性(細胞膜、細胞質)の理解が重要です。
混同注意
各選択肢が異なる電気的特性や異なる組織に関する記述であるため、それぞれの定義と特徴を正確に理解していないと、混同しやすいです。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出たら、生体組織の異方性に関する具体的な例(例: 筋線維方向と垂直方向での導電率の違い)や、電気的特性が診断や治療にどう応用されるか(例: 生体インピーダンス法による体組成分析)に注目して学習する。
関連知識
生体インピーダンス測定、電気刺激、電磁波の生体作用、細胞膜電位の発生メカニズム、筋電図・脳波などの基礎。