訪問看護計画に取り入れる内容で最も優先度が高いのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第106回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
訪問看護は利用者が可能な限り住み慣れた自宅で自立した日常生活を送れるよう支援することを目的とします。その実現のためには、生活の場で実際に必要となる動作能力の維持・向上、特に転倒リスクの高い階段昇降などの移動能力は最も重視すべき項目です。自宅環境での安全な移動能力を向上させることは、転倒予防だけでなく、生活範囲の拡大にも繋がり、QOL向上に直結します。
選択肢ごとの解説
- 1. 言葉の機能改善訓練は重要であるが、訪問看護の計画全体の中で「最も」重視すべき項目かというと、安全な自宅生活を送るための基盤となる移動能力などと比較すると優先度は下がる可能性がある。コミュニケーション能力は生活の質に影響するが、生命維持や身体的安全に直接関わるレベルではないため。正しくは:言語聴覚士による専門的な介入が必要な場合があり、訪問看護師は状態観察や連携を行う。選びやすい理由:リハビリテーションの一環として重要に見えるため。混同注意:ADL向上に直結するリハビリテーション全般。
- 2. 食事内容に関する助言は栄養管理上重要だが、訪問看護の計画において「最も」重視すべき項目とは言えない。食事内容の助言自体は直接的な生命維持に関わる場合もあるが、この選択肢では具体的な介入内容が不明確であり、階段昇降訓練のような直接的な身体機能と安全の確保には劣る。正しくは:利用者の栄養状態や嚥下機能に合わせた具体的な食事指導や介助法を計画に含める。選びやすい理由:健康維持の基本として重要であるため。混同注意:栄養管理の重要性全般。
- 3. 服薬スケジュールの管理は、疾患管理上非常に重要であり、内服状況が生命維持に直結する疾患では優先度が高い。しかし、訪問看護全体で「最も」重視すべき項目かというと、自宅での活動を安全に送るための身体的な能力と安全確保には劣る。服薬管理は手段であり、その結果として安全な生活が送れるようになるが、直接的な安全確保ではないため。正しくは:服薬支援は、利用者が正しく薬を服用し、疾患管理を適切に行うために不可欠な項目として計画に含める。選びやすい理由:薬剤の効果発現や副作用防止の観点から非常に重要であるため。混同注意:疾患管理の重要性全般。
- 4. 排泄の規則性を保つためのケアは、利用者にとって快適な生活を送る上で重要であり、皮膚トラブルや感染予防にも繋がる。しかし、「最も」重視すべき項目としては、自宅での転倒リスクを直接的に減らし、活動範囲を広げる階段昇降練習には及ばない。排泄ケアは生活の質に大きく影響するが、生命や安全に直結する度合いは相対的に低い。正しくは:排泄介助や排泄コントロールに向けたケアは、利用者の尊厳や快適な生活の維持のために重要な項目として計画に含める。選びやすい理由:ADLの根幹をなす要素の一つであるため。混同注意:セルフケア支援の重要性全般。
- 5. 正解。自宅内の階段を安全に上り下りする練習は、自宅での生活において転倒リスクを軽減し、生活空間を拡大するために極めて重要な項目です。転倒は高齢者の主要な事故原因であり、ADL低下や寝たきりにも繋がりやすいため、その予防は訪問看護において最も重視すべき課題の一つです。この訓練は、利用者が自宅で自立して安全に生活するための基礎となる身体機能と環境適応能力を直接的に高めます。選びやすい理由:具体的な身体機能訓練であり、転倒予防に直結するため。混同注意:身体機能訓練全般。
国試ポイント
訪問看護におけるケアの優先順位と、生活の場での自立支援の重要性を理解する。
混同注意
個別の疾患管理や身体機能の維持も重要だが、訪問看護では「自宅での生活の質」に直結する項目がより重視される点。
次に同じ論点が出たら
訪問看護の計画に関する問題では、「自宅での生活を安全かつ自立して送るために最も直接的に寄与するもの」や「QOL向上に最も大きく影響するもの」が正答となる傾向がある。
関連知識
訪問看護計画は、利用者のADL(Activities of Daily Living)やIADL(Instrumental Activities of Daily Living)の向上、QOL(Quality of Life)の維持・向上を目標に、多職種連携のもとで作成される。特に安全確保と自立支援が重要となる。