A君(7歳、男児)は、サッカークラブに所属している。本日、練習中に転倒して右腕を地面についた後、肘周囲に腫れと強い痛みが生じたため、父親と救急外来を受診した。エックス線撮影の結果、右側の上腕骨顆上骨折と診断され、非観血的整復とギプス固定が行われることになった。A君は不安な表情で父親と処置室の前で待っている。 ギプス固定にあたり、A君への看護師の説明で適切なのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第110回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
子どもの患者に対しては、視覚的な情報を取り入れることで理解を深め、処置への不安を軽減する効果があります。実際に使用するギプス材料を見せることで、何が身体に装着されるのか、どのような感触があるのかを具体的にイメージさせ、子どもの協力を得やすくなります。
選択肢ごとの解説
- 1. ギプス固定の手順によっては、患部の操作などで多少の痛みや不快感を伴う場合があります。特に固定直後は腫脹による圧迫感が生じる可能性もあります。痛みが全くないと断言することは適切ではありません。正しくは:「少し痛むかもしれませんが、もし痛みが続くようでしたら教えてください」など、正直に伝え、不快時の対処法を説明します。選びやすい理由:子どもが不安にならないように、痛くないと安心させたい気持ちから選びやすい選択肢です。混同注意:「痛くない」という言葉で、処置全体の安全性を保証しようとする意図と混同しやすいですが、正直な情報提供が重要です。
- 2. ギプス固定は準備から巻き終わり、そして乾燥を待つまでにある程度の時間が必要です。特に乾燥には時間がかかります。正確な所要時間を伝えず、すぐに終わると伝えるのは現実と異なり、子どもの不信感につながる可能性があります。正しくは:「だいたい〇分くらいで、この部分を巻いていきますよ」と具体的な時間や工程を伝えるようにします。選びやすい理由:子どもの集中力が続かないことを考慮し、早く終わることを伝えたいという気持ちから選びやすいです。混同注意:「すぐに終わる」という表現が、子どもの不安を軽減するための優しい嘘と捉えられがちですが、事実に基づいた説明が求められます。
- 3. ギプス材料(特に石膏ギプス)が硬化する際には、化学反応により発熱します。そのため、冷たく感じるのではなく、むしろ温かく感じることが一般的です。誤った情報を伝えることは適切ではありません。正しくは:「ギプスが固まる時に、少し暖かくなるかもしれませんが心配いりませんよ」と正しく説明します。選びやすい理由:水を使うイメージから「冷たい」と連想しやすいため、誤って選びやすいです。混同注意:乾燥による水分の蒸発と混同し、冷却効果があると考えてしまいがちです。
- 4. 正解。子どもに対しては、目に見える具体的なものを使って説明することで、理解しやすくなり、不安の軽減にもつながります。実際に使う材料を見せることで、何がされるのかがイメージしやすくなります。
国試ポイント
小児患者への処置説明の基本原則を理解しているかが問われています。特に、子ども特有の認知発達段階を考慮したコミュニケーション方法が重要です。
混同注意
子どもの不安を和らげようとするあまり、現実と異なる情報を伝えてしまう選択肢が紛らわしいです。正確な情報提供と、発達段階に合わせた伝え方のバランスが求められます。
次に同じ論点が出たら
同様の論点が出た場合は、子どもの発達段階に応じた具体的な説明方法(例:遊びを取り入れる、絵や写真を使う、短い言葉で説明する)や、不安軽減のための介入(例:好きな遊びをさせる、保護者同伴)が問われる可能性があります。
関連知識
小児看護における説明責任とインフォームド・コンセント。年齢別(乳幼児期、幼児期、学童期、思春期)に応じたコミュニケーション技法。プレパレーションの重要性。