器質的変化で嚥下障害が出現する疾患はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第113回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
器質的嚥下障害とは、嚥下に関連する器官(口腔、咽頭、食道など)に物理的な構造的異常(狭窄、閉塞、腫瘍、炎症など)が存在することにより生じる嚥下障害を指します。食道癌は食道の内部に腫瘍が発生し、その増大によって食道の管腔が狭くなるため、食物の通過が物理的に妨げられ、器質的な嚥下障害の典型的な原因となります。他の選択肢は、神経系や筋肉の機能不全によって嚥下運動の調整が損なわれる機能的嚥下障害に分類されます。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。食道癌は食道の物理的な狭窄や閉塞を引き起こし、食物の通過障害として器質的な嚥下障害をきたします。腫瘍の増大が直接的な原因となります。正しくは:この選択肢は正しい記述です。選びやすい理由:嚥下障害を引き起こす疾患は多岐にわたるため、器質的か機能的かの区別が重要です。混同注意:他の選択肢は主に神経系や筋系の機能的障害による嚥下障害です。
- 2. 脳血管疾患は、嚥下に関わる中枢神経系の障害により嚥下反射や咀嚼・嚥下運動の協調性が失われる機能的嚥下障害を引き起こします。器質的変化によるものではありません。正しくは:脳血管疾患による嚥下障害は、神経学的な機能障害が原因です。選びやすい理由:嚥下障害の原因として非常に一般的ですが、器質的変化によるものではない点がポイントです。混同注意:器質的か機能的かの違いを理解することが大切です。
- 3. 筋強直性ジストロフィーは、骨格筋の進行性の筋力低下と筋硬直を特徴とする遺伝性疾患であり、嚥下筋の機能不全による機能的嚥下障害を呈します。消化管の器質的変化が直接の原因ではありません。正しくは:筋強直性ジストロフィーによる嚥下障害は、嚥下に関わる筋肉の機能障害が原因です。選びやすい理由:筋肉の病気なので、何か物理的な変化が起こるように思えるかもしれませんが、本質的には機能的な問題です。混同注意:筋力低下が直接的に構造の変形を意味するわけではありません。
- 4. ギラン・バレー症候群は、末梢神経の炎症性疾患であり、嚥下に関わる神経の障害により嚥下筋の麻痺や協調運動障害が生じる機能的嚥下障害です。消化管の器質的変化は伴いません。正しくは:ギラン・バレー症候群による嚥下障害は、末梢神経の障害による機能的な問題です。選びやすい理由:神経系の疾患は嚥下障害の大きな原因ですが、それが器質的変化によるものか機能的変化によるものかを区別しましょう。混同注意:脳血管疾患と同様に、神経系の問題が原因である点が共通しています。
国試ポイント
嚥下障害の原因を「器質的」か「機能的」かに分類し、それぞれの代表的な疾患を理解しているかが問われています。特に、食道や咽頭の構造的異常が器質的嚥下障害の原因となることを把握することが重要です。
混同注意
嚥下障害の原因となる疾患は多岐にわたるため、器質的か機能的かの区別が曖昧になりやすい。例えば、脳血管疾患は嚥下障害の主要な原因であるため、誤って選択しがちだが、これは機能的な問題である。
次に同じ論点が出たら
嚥下障害患者への具体的な看護介入として、食事介助時の姿勢、食事形態の選択、口腔ケアの重要性について考察できるか。
関連知識
嚥下障害のアセスメント(誤嚥リスク、栄養状態)、嚥下造影検査(VF)、嚥下内視鏡検査(VE)、嚥下訓練(間接訓練、直接訓練)、食事形態の調整(とろみ食、嚥下調整食)。