高血圧が原因で起こりやすいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第113回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
高血圧は脳内の小動脈に持続的な高い圧力がかかることで、血管壁が脆弱化し、動脈硬化性変化や細小動脈瘤の形成を促進します。これにより、血管が破綻しやすくなり、脳内での出血を引き起こす主要な原因となります。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。高血圧は、脳内の細小動脈に持続的な高負荷をかけ、血管壁の脆弱化や細小動脈瘤(Charcot-Bouchard動脈瘤など)の形成を促進し、その破綻により脳出血を引き起こす最も重要な危険因子です。選びやすい理由:高血圧と脳出血の関連性は医学的にも広く認識されており、臨床的にも重要であるため、迷わず選択できます。混同注意:特になし。正しい選択肢として明確です。
- 2. 脳塞栓症は、心臓や頸動脈など脳以外の場所で形成された血栓が血流に乗って脳血管に運ばれ、脳の血管を閉塞することで発生します。主な原因は心房細動などの不整脈や心臓弁膜症であり、高血圧は危険因子の一つではありますが、直接の原因とは言えません。正しくは:脳塞栓症の主な原因は、心房細動などの心疾患やアテローム動脈硬化による頸動脈プラークです。選びやすい理由:高血圧も脳梗塞(脳塞栓症を含む)の重要な危険因子であるため、脳血管イベント全般との関連で選びやすいです。しかし、直接の原因としては塞栓源の存在がより重要です。混同注意:高血圧性脳出血と脳塞栓症の病態生理。高血圧が直接的に血管破綻を引き起こす脳出血と、高血圧が間接的に危険因子となる脳塞栓症(塞栓源が主因)を混同しやすいです。
- 3. 脳動静脈奇形(AVM)は、先天性の脳血管奇形であり、動脈と静脈が毛細血管を介さずに直接吻合している状態です。これが破裂すると脳出血やくも膜下出血を引き起こしますが、高血圧が原因で発生するものではありません。正しくは:脳動静脈奇形は先天性の血管奇形であり、高血圧がその発生原因ではありません。選びやすい理由:脳動静脈奇形も脳出血の原因となるため、脳出血という結果から誤って関連付けやすいです。しかし、高血圧が原因で生じるものではありません。混同注意:脳出血の原因の一つであることと、その原因が高血圧であるかどうかを混同しやすいです。
- 4. 急性硬膜下血腫は、主に頭部外傷によって脳を覆う硬膜の下に出血が生じた状態です。脳の表面を走行する架橋静脈の損傷が主な原因であり、高血圧が直接の原因で起こることは稀です。正しくは:急性硬膜下血腫の主な原因は頭部外傷による架橋静脈の損傷です。選びやすい理由:「血腫」という言葉から出血を連想し、高血圧と結びつけやすいですが、発生部位と原因が異なります。混同注意:高血圧性脳出血と、外傷性硬膜下血腫の原因を混同しやすいです。これらは異なる病態です。
国試ポイント
高血圧が脳血管疾患、特に脳出血の最も重要な危険因子であることを理解する。
混同注意
高血圧性脳出血と他の脳卒中の病態生理(例:脳梗塞、くも膜下出血)を混同しないように区別することが重要です。高血圧は脳出血の直接的な原因ですが、脳塞栓症や脳血栓症は主に動脈硬化や心原性の因子が関与します。
次に同じ論点が出たら
「高血圧が原因で起こりやすい疾患は何か」という問いに対し、脳出血が第一選択肢であることを確認し、その病態生理(血管の脆弱化、破綻)を想起して判断します。脳梗塞も高血圧が危険因子ですが、直接の原因として最も関連が深いのは脳出血です。
関連知識
高血圧は脳出血だけでなく、脳梗塞、心筋梗塞、心不全、腎不全、大動脈瘤・解離などの様々な疾患の重要な危険因子です。生活習慣の改善や薬物療法による血圧管理がこれらの疾患予防に不可欠です。脳出血の好発部位は、被殻、視床、橋、小脳などです。