下血がみられる疾患はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第112回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
下血は、消化管、特に下部消化管(大腸、直腸、肛門など)からの出血を指します。大腸癌は、腫瘍からの慢性的な出血や、腫瘍表面の血管が破綻することによって下血を引き起こす一般的な原因です。一方、肝嚢胞は肝臓の病変であり、子宮体癌は性器からの出血、腎細胞癌は尿路からの出血が主な症状であり、いずれも下血とは直接関連しません。
選択肢ごとの解説
- 1. 肝嚢胞は、肝臓にできる液体が貯まった袋状の病変で、通常は無症状です。破裂しない限り、消化管からの出血である下血を引き起こすことはありません。正しくは:肝嚢胞は、症状が現れるとしても腹部膨満感や圧迫感、疼痛などが一般的です。選びやすい理由:「がん」という言葉から、出血のイメージを持つかもしれませんが、肝臓の良性病変であり、消化管出血とは直接関連しません。混同注意:肝臓の悪性腫瘍(肝細胞癌など)と混同することがあるかもしれませんが、肝嚢胞は通常良性です。
- 2. 正解。大腸癌は、腫瘍からの出血によって下血を引き起こす代表的な疾患です。特に、直腸やS状結腸の癌では、鮮血便や暗赤色便として下血が顕著にみられることがあります。腫瘍が進行すると、便の通過に伴って出血しやすくなります。
- 3. 子宮体癌は、子宮の内膜に発生する癌です。症状としては不正出血(性器出血)、帯下の異常、下腹部痛などが主であり、消化管からの出血である下血とは直接関連しません。正しくは:子宮体癌の出血は性器出血であり、下血(消化管からの出血)とは区別されます。選びやすい理由:「癌」という言葉と「出血」という症状が結びつきやすいため、選択肢として考えやすいかもしれませんが、出血の部位が異なります。混同注意:消化管出血(下血)と性器出血(不正出血)を混同する可能性があります。
- 4. 腎細胞癌は、腎臓に発生する悪性腫瘍です。主な症状は血尿(肉眼的または顕微鏡的)、側腹部痛、腹部腫瘤などで、消化管からの出血である下血を引き起こすことはありません。癌が進行しても、直接的に下血を招くメカニズムはありません。正しくは:腎細胞癌の出血は尿路からの出血(血尿)であり、下血(消化管からの出血)とは区別されます。選びやすい理由:「癌」という言葉と「出血」という症状が結びつきやすいですが、出血の部位が消化管ではありません。混同注意:消化管出血(下血)と尿路出血(血尿)を混同する可能性があります。
国試ポイント
この問題は、主要な症状(下血)と関連する臓器・疾患の基本的な知識を問うものです。消化器系、泌尿器系、生殖器系の疾患における出血部位と症状の区別が重要となります。特に、「下血」が『下部消化管からの出血』を指すことを正確に理解しているかが鍵です。
混同注意
下血(消化管からの出血)と、血尿(尿路からの出血)、不正出血(性器からの出血)を混同しやすいです。また、上部消化管からの出血である吐血やタール便との区別も重要です。
次に同じ論点が出たら
同様の論点が出た場合は、まず「出血の種類(下血、吐血、血尿、不正出血など)とその定義」を正確に確認し、次に「各臓器の主要な疾患とそれによって生じる代表的な症状」を結びつけて考えるようにします。
関連知識
下血の原因疾患としては、大腸癌の他に、痔核、憩室出血、虚血性大腸炎、潰瘍性大腸炎、クローン病などが挙げられます。鮮血便は肛門に近い部位からの出血(痔核、直腸癌)、暗赤色便はより上部の大腸からの出血を示唆することがあります。