糖尿病の急性合併症はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第112回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
糖尿病の合併症は、急激に発症し生命にかかわる「急性合併症」と、長期間の高血糖により徐々に進行する「慢性合併症」に大別されます。糖尿病性ケトアシドーシスは、インスリンが極端に不足することで体内のエネルギー源が脂肪に偏り、その代謝産物であるケトン体が血液中に過剰に蓄積してアシドーシスを引き起こす状態です。これは数時間から数日のうちに急激に進行し、意識障害や昏睡に至ることもあるため、急性合併症として正しいです。選択肢1、2、3はすべて高血糖が長期間続くことにより生じる慢性合併症です。
選択肢ごとの解説
- 1. 足壊疽は、高血糖が長期間続くことで血管や神経に障害が生じ、血流が悪化したり感染しやすくなる結果として発生する慢性合併症です。正しくは:「足の壊疽」は糖尿病の慢性合併症である。選びやすい理由:糖尿病の重篤な合併症であるため、急性だと誤解されやすい。混同注意:急性合併症(ケトアシドーシス、高浸透圧高血糖症候群)と慢性合併症(神経障害、網膜症、腎症、大血管障害など)の区別。
- 2. 脳血管障害(脳卒中など)は、高血糖が血管にダメージを与え続けることで動脈硬化が進行し、その結果として発症する慢性合併症(大血管症)です。正しくは:「脳血管障害」は糖尿病の慢性合併症である。選びやすい理由:命に関わる重篤な合併症であるため、緊急性が高いという点で急性だと誤解されやすい。混同注意:急性合併症と慢性合併症の区別。特に緊急性のある事態全般と急性合併症を混同しやすい。
- 3. 糖尿病性網膜症は、高血糖が網膜の細い血管に長期的に障害を与えることで進行する、典型的な慢性合併症(細小血管症)です。正しくは:「糖尿病性網膜症」は糖尿病の慢性合併症である。選びやすい理由:糖尿病に特有の合併症であるため、重要度は高いが、その発生機序と進行は慢性的なものである。混同注意:糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症と合わせて「三大合併症」として知られるが、これらは全て慢性合併症であるという点を混同しやすい。
- 4. 正解。糖尿病性ケトアシドーシスは、インスリン不足により体内でケトン体が増加し、急激な代謝性アシドーシスを引き起こす急性合併症です。重症化すると意識障害(昏睡)に至り、迅速な治療を要します。
国試ポイント
糖尿病の合併症について、特に急性合併症と慢性合併症を区別して理解しているか問う問題です。それぞれの具体的な病態と発生機序を把握することが重要です。
混同注意
糖尿病の急性合併症には、糖尿病性ケトアシドーシスと高浸透圧高血糖症候群があります。これらと慢性合併症(神経障害、網膜症、腎症、大血管障害、足病変など)との混同がよく見られます。また、合併症の重症度や緊急性と、発症の『急性・慢性』の区別を混同しやすいです。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出題されたら、急性合併症である「高浸透圧高血糖症候群」の症状や病態、さらにそれぞれの合併症における看護師の役割や緊急時の対応について確認するべきです。
関連知識
糖尿病の急性合併症には、糖尿病性ケトアシドーシス以外に「高浸透圧高血糖症候群」があります。慢性合併症には、細小血管症(糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症、糖尿病性神経障害)と大血管症(脳血管障害、冠動脈疾患、末梢動脈疾患)があります。