Aさん(85歳、女性)は、1人暮らし。日常生活は自立しており、健康のために毎日20〜30分のウォーキングをしている。夜間は、廊下を歩いて1、2回トイレに行く。Aさんの現時点での家屋環境の整備で最も優先されるのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第108回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
85歳のAさんは、夜間に廊下を通ってトイレに行くことが明記されています。夜間の移動は足元が見えにくく、転倒のリスクが著しく高まります。足元照明を設置することで、段差やつまずきやすいものを認識しやすくなり、転倒予防に最も直接的かつ効果的です。他の選択肢も高齢者の住環境整備において有効な場合がありますが、Aさんの現状(自立、ウォーキング習慣あり、夜間トイレ利用)を考慮すると、夜間の安全確保が最優先と判断されます。
選択肢ごとの解説
- 1. Aさんは日常生活が自立しており、健康のためにウォーキングをしていることから、下肢筋力に大きな問題があるとは考えにくいです。現時点で便座の高さ変更の必要性は低いと考えられます。正しくは:下肢筋力低下や膝関節疾患などで立ち上がりが困難な場合に検討します。選びやすい理由:高齢者の転倒予防策として考えられるが、Aさんの現状では優先度が低い。混同注意:すべての高齢者に一律に便座の高さを上げるのが良いと誤解する可能性がある。
- 2. Aさんは自立しており、毎日ウォーキングをしているため、現時点で歩行に不安定さがあるとは示されていません。手すりは転倒予防に有効ですが、優先度は足元照明より低いと考えられます。正しくは:歩行が不安定であったり、ふらつきが見られる場合に設置を検討します。選びやすい理由:高齢者の転倒予防策として一般的であり、夜間の移動を考慮すると有用に見える。混同注意:転倒予防策全般を優先すべきと考え、具体的な状況を読み取れない可能性がある。
- 3. Aさんは日常生活が自立しており、ドアの開閉に問題があるとは記述されていません。引き戸への変更は、車椅子利用時や開閉動作に困難がある場合に検討されます。現在の状況では優先度は低いです。正しくは:開閉動作に支障がある場合や、将来的な車椅子利用を見越して検討します。選びやすい理由:高齢者にとって開閉しやすいという点で良い対策に思えるが、現在のAさんの状況では必須ではない。混同注意:すべての高齢者の家屋で引き戸が最適だと誤解する可能性がある。
- 4. 正解。Aさんは夜間に廊下を通ってトイレに行くことが明記されています。夜間の暗い環境での移動は転倒リスクが非常に高まります。足元照明を設置することで、視認性が向上し、転倒を効果的に予防できます。これは最も緊急かつ優先されるべき対策です。正しくは:夜間の視認性向上と転倒予防に直結するため、最も優先されます。選びやすい理由:他の選択肢も転倒予防に関連するため迷うかもしれないが、夜間の移動という具体的な状況を考慮するとこれが最も直接的な対策。混同注意:転倒予防は様々な側面があるため、どれが最も優先されるべきか判断に迷う可能性がある。
国試ポイント
高齢者の生活状況に応じた住環境整備における優先順位を問う問題です。特に夜間の転倒リスクと照明の重要性に着目することがポイントとなります。
混同注意
すべての選択肢が高齢者の住環境整備に関連するため、どれが最もAさんの状況に合致し、優先されるべきかを判断する必要があります。手すり設置も有力な選択肢ですが、Aさんが自立していることを考慮すると、まずは夜間の視認性確保が優先されます。
次に同じ論点が出たら
夜間の頻回なトイレ利用がある場合、排泄ケアの側面(頻尿の原因、トイレまでの導線の簡素化など)も考慮する必要がある。
関連知識
高齢者の転倒予防策(運動機能向上、薬物調整、視力補正、履物、住環境整備)、ユニバーサルデザインの原則、夜間の視環境整備の重要性。