認知症高齢者とのコミュニケーションで適切なのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第110回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
認知症の高齢者は、記憶障害や見当識障害などにより、現実と異なる内容を話す『作話』をすることがあります。この作話は、本人の不安や願望、感情の表出であることが多いため、事実と異なるとしても頭ごなしに否定せず、まずは傾聴し、その背景にある感情や意図を理解しようと努めることが重要です。これにより、本人は安心感を抱き、信頼関係を築くことができます。
選択肢ごとの解説
- 1. 認知症の人は論理的な思考力が低下しているため、説得しようとすると混乱したり、不信感を抱いたりすることがあります。まずは相手の感情に寄り添い、安心感を与えることが重要です。正しくは:相手の感情に共感し、受け入れる姿勢で話す。選びやすい理由:相手に理解してほしいという気持ちから説得しようとしてしまいがち。混同注意:論理的な説明が理解につながると誤解することがある。
- 2. 正解。認知症の人の作話は、不安や願望、過去の記憶などが混在して表現されることがあります。作話を否定せず、まずは傾聴することで、本人の感情やニーズを理解し、安心感を与えることができます。正しくは:この選択肢は正しい対応です。選びやすい理由:作話を訂正してあげたいと思うかもしれない。混同注意:作話を真に受けてしまうことと、傾聴することの区別がつきにくいことがある。
- 3. 認知症の人は新しい情報を処理する能力や記憶力が低下しています。一度に多くの情報を伝えると、混乱や不安を招き、理解を困難にします。情報は簡潔に、一つずつ伝えるべきです。正しくは:情報を簡潔にし、一つずつゆっくりと伝える。選びやすい理由:必要な情報を漏らさず伝えようとして、情報量が多くなってしまうことがある。混同注意:一般の会話と同じように情報量を調整してしまうことがある。
- 4. 認知症の人は短期記憶の障害から、同じ話を繰り返すことがあります。会話を打ち切ると、相手は拒否されたと感じ、不安や孤立感を深める可能性があります。根気強く傾聴したり、話題をそらしたりする工夫が必要です。正しくは:同じ内容の繰り返しがあっても、焦らず傾聴するか、気分転換になるような別の話題に穏やかに誘導する。選びやすい理由:何度も同じ話を聞くことに疲れて、会話を終えたくなる気持ちは理解できる。混同注意:繰り返しの会話は時間の無駄だと考えてしまいがちだが、相手にとっては重要な表現である場合がある。
国試ポイント
認知症高齢者とのコミュニケーションでは、相手の認知機能の低下を理解し、尊重と共感を基本とした関わり方が求められます。特に、作話への対応は重要なポイントとなります。
混同注意
認知症高齢者への対応として、説得や情報量の調整、繰り返しの会話への対処法はそれぞれ重要ですが、作話への『傾聴』が最も共感的で適切なアプローチとなります。他の選択肢は、相手の認知機能特性を考慮していない点で不適切です。
次に同じ論点が出たら
今後、具体的にどのような言葉遣いや表情で接するか、作話の背景にある感情をどのように探っていくかを判断する必要がある。
関連知識
バリデーション療法、ユマニチュード、パーソン・センタード・ケアなどの認知症ケアの基本的な考え方。非言語的コミュニケーションの重要性。