Aさん(57歳、男性)は、妻(50歳)と2人で暮らしている。21歳から喫煙習慣があり、5年前に風邪で受診した際に肺気腫と診断された。最近は坂道や階段を昇ると息切れを自覚するようになってきた。 Aさんの呼吸機能に関する数値で増加を示すのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第113回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
肺気腫や気管支喘息などの閉塞性肺疾患では、気道の狭窄により息を吐き出すことが困難になります。その結果、肺の中に空気が過剰に残り、残気量が増加します。これは空気のトラップ現象によるものです。
選択肢ごとの解説
- 1. 1秒率は閉塞性肺疾患で低下します。気道の狭窄により、1秒間に吐き出せる空気の量が減少するためです。正しくは:低下する選びやすい理由:呼吸機能検査の項目の一つであり、何らかの変化があるため。混同注意:1秒量(FEV1)が低下すること、および肺活量(VC)との関連。
- 2. 正解。残気量は、閉塞性肺疾患において気道の閉塞により空気が肺内に閉じ込められやすくなるため増加します。選びやすい理由:呼吸機能検査の重要な指標であり、閉塞性肺疾患の病態を反映する項目だから。混同注意:全肺気量(TLC)や肺活量(VC)の変化。
- 3. 一回換気量は、安静呼吸時の1回あたりの換気量であり、閉塞性肺疾患の初期には変化が少ないか、疾患が進行すると呼吸仕事量の増加に伴い減少することがあります。増加するとは限りません。正しくは:初期には変化が少ないか、進行すると減少することがある選びやすい理由:呼吸努力が増すことで、一回換気量も増えるのではないかと誤解することがあるため。混同注意:分時換気量や努力性肺活量などの他の換気量。
- 4. 動脈血酸素分圧(PaO2)は、閉塞性肺疾患が進行すると換気血流不均衡やシャント効果により低下します。増加することはありません。正しくは:低下する選びやすい理由:酸素化の指標であるため、何らかの変化を期待しがち。初期の代償期には大きく変動しないこともあるため。混同注意:動脈血炭酸ガス分圧(PaCO2)の変動(初期は低下、進行すると上昇)や、PaO2の低下と動脈血酸素飽和度(SpO2)の低下。
国試ポイント
閉塞性肺疾患における呼吸機能検査の主要な変化(特に残気量の増加と1秒率の低下)を理解する。
混同注意
残気量と機能的残気量は異なります。残気量は最大呼出後の肺に残る空気量、機能的残気量は安静呼出後の肺に残る空気量です。
次に同じ論点が出たら
呼吸機能検査の項目と疾患(閉塞性・拘束性)ごとの典型的な増減パターンを、その病態生理と関連付けて判断します。特に、気道抵抗の増大が空気のトラップを招き、残気量が増加するという機序を押さえます。
関連知識
閉塞性肺疾患では、1秒率(FEV1/FVC)が低下し、残気率(RV/TLC)が増加します。拘束性肺疾患では、全肺気量(TLC)や肺活量(VC)が減少します。