Aさん(49歳、女性)は、これまで在宅勤務でほとんど外出することがなく、BMI33であった。Aさんは久しぶりの出勤の際に転倒し、右大腿骨頸部骨折と診断され、右人工股関節置換術を受けることになった。 術後3日、Aさんの全身状態は改善し、読書をして過ごしている。Aさんの術後の合併症を予防する適切な肢位はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第113回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
術後の合併症予防には、血栓塞栓症や褥瘡の予防が重要です。外転位は、股関節周囲の血管や神経への圧迫を軽減し、血流を良好に保つことで深部静脈血栓症のリスクを低下させます。また、関節の拘縮予防にも繋がります。
選択肢ごとの解説
- 1. 外旋位は、特に股関節周囲の組織に不必要な伸張や圧迫を与える可能性があり、長時間持続すると血流阻害や神経麻痺のリスクを高めるため不適切である。また、関節拘縮の原因となることもある。正しくは:股関節周辺の血流を阻害せず、安楽な肢位となるように、軽度外転位かつ中間位を保持する。選びやすい理由:「外」という言葉の響きから、身体から離す動きというイメージで選んでしまう可能性がある。しかし、外旋は回旋の動きであり、血流改善に直接的ではない。混同注意:外転位と外旋位
- 2. 正解。外転位は、特に下肢において、大腿内側の血管や神経への圧迫を軽減し、血流を良好に保つことで深部静脈血栓症のリスクを低下させる。また、関節の安楽を保ち、拘縮を予防する効果もある。選びやすい理由:(正答のため該当なし)混同注意:(正答のため該当なし)
- 3. 内旋位は、股関節内側の血管や神経を圧迫しやすく、血流阻害や神経障害のリスクを高めるため不適切である。特に長時間の臥床では、下肢の血液循環が悪化し、深部静脈血栓症のリスクを増加させる。正しくは:股関節周辺の血流を阻害せず、安楽な肢位となるように、軽度外転位かつ中間位を保持する。選びやすい理由:「内」という言葉から、安定した肢位というイメージを持つかもしれないが、内旋位は血流阻害のリスクが高い。混同注意:内転位と内旋位
- 4. 内転位は、大腿部が身体の中心に近づく肢位であり、特に股関節周囲の血管や神経が圧迫されやすくなる。これにより血流が悪化し、深部静脈血栓症のリスクを高めるため不適切である。また、褥瘡発生のリスクも高まる。正しくは:股関節周辺の血流を阻害せず、安楽な肢位となるように、軽度外転位を保持する。選びやすい理由:安定しているように感じられるかもしれないが、下肢が中心に寄ることで、圧迫や摩擦が生じやすくなる。混同注意:外転位と内転位
国試ポイント
術後の肢位管理は、合併症予防と早期回復に不可欠であり、特に深部静脈血栓症予防のための下肢のポジショニングは重要である。
混同注意
外転と外旋は混同しやすいが、外転は身体の中心線から離れる動き、外旋は身体の長軸を中心とした外向きの回旋運動である。術後臥床時には、安楽な肢位と共に、血流阻害や神経圧迫を避ける肢位選択が重要となる。
次に同じ論点が出たら
「術後の合併症予防」や「血栓予防」というキーワードがあれば、下肢の外転位を第一に検討する。特に、股関節手術後の肢位管理や、長時間の臥床が予想される場合の肢位選択に注目する。
関連知識
深部静脈血栓症(DVT)の予防には、早期離床、弾性ストッキングの着用、間欠的空気圧迫装置の使用なども有効である。肺炎予防のためには、体位変換や深呼吸・咳嗽の促しが必要となる。