乳幼児期の手先の運動で最も早くできるようになるのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第115回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
乳幼児の手の運動発達は、粗大運動から微細運動へと段階的に進みます。把握反射が生後数ヶ月で随意的な握り動作に移行し、ガラガラを握る(生後3〜4ヶ月頃)のが最も初期の自発的な手先の運動となります。その後、積み木を積む(1歳頃)、丸を描く(3歳頃)、ハサミを使う(3歳以降)と、より複雑な動作へと発達していきます。
選択肢ごとの解説
- 1. ハサミを使う動作は、手指の協調性、両手動作、視覚と手の連携など、非常に複雑な発達段階を必要とします。通常、3歳以降に徐々にできるようになるスキルです。正しくは:乳児期の初期には見られない高度な動作であり、より成長してから獲得されます。選びやすい理由:成長すると日常的に行う動作なので、早くからできるようになると思われがちです。混同注意:初期の簡単な手先運動と混同する可能性がありますが、指の独立した動きや、道具の操作は後期の発達課題です。
- 2. 丸を描くことは、手指の細かい運動能力に加え、形の認識、筆圧の調整、運筆のスキルなどが必要です。一般的に3歳頃にできるようになります。正しくは:筆記具を使い正確な形を描くのは、ある程度の認知能力と手指の洗練された動きが求められるため、乳児期早期には不可能です。選びやすい理由:子どもがお絵かきを始める時期と重なるため、早い段階でできると思われやすいです。混同注意:ただ線を引くことと、正確な図形を描くことの区別が曖昧になることがあります。線の描画自体はもっと早期に始まりますが、特定の形を模倣するのは後段階です。
- 3. 正解。新生児期から見られる原始反射の一つである把握反射(Grasing Reflex)が、生後3〜4ヶ月頃には自分の意思で物を握る随意運動へと変化します。ガラガラを握るのは、この随意的な握り動作の初期段階であり、他の選択肢に比べて最も早期に獲得される手先の運動です。
- 4. 積み木を重ねて塔を作る動作は、空間認識、両手の協調性、バランス感覚、さらに指先の微細な調節を必要とします。一般的に1歳頃(1歳半頃には3~4個積めるようになる)にできるようになる動作であり、ガラガラを握るよりも後の発達段階です。正しくは:積み木を重ねる動作には、物体の操作に加え、重心の理解や手の巧緻性が求められるため、より後期の運動発達です。選びやすい理由:比較的小さな子でも積み木で遊ぶイメージがあるため、早い段階でできると思われやすいです。混同注意:積み木を『持つ』ことと『積む』ことの違いが曖昧になることがあります。持つことは早期から可能ですが、正確に積み重ねるにはより高度な運動能力が必要です。
国試ポイント
乳幼児の運動発達の段階と、それぞれの発達段階で獲得される具体的な動作を理解しているか問う問題です。特に、原始反射から随意運動への移行期の理解が重要となります。
混同注意
各選択肢が示す発達段階を混同しやすい。特に、原始反射の消失と随意運動の獲得時期の前後関係を正確に理解しておく必要があります。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出た場合、与えられた選択肢の動作が、発達段階のどの時期に現れるかを正確に判断できるかを確認します。特に、より単純で基本的な動作が早期に獲得されるという原則を適用できるかがポイントです。
関連知識
乳児の原始反射(モロー反射、吸啜反射、把握反射など)とその消失時期、首すわり、寝返り、お座り、ハイハイ、つかまり立ち、伝い歩き、独歩といった粗大運動の発達段階、そして微細運動としての指先の巧緻性発達について。