更年期女性のホルモン補充療法によってリスクが低くなるのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第110回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
更年期女性のホルモン補充療法(HRT)は、閉経に伴うエストロゲン減少によって加速する骨密度の低下を抑制し、骨粗しょう症およびそれに起因する骨折のリスクを有意に低減する効果が認められています。これはHRTの主要な適応の一つです。
選択肢ごとの解説
- 1. ホルモン補充療法(HRT)は、特に長期間の使用において、乳がんのリスクをわずかに上昇させるとされています。正しくは:乳がんのリスクは上昇する、あるいは影響がない。選びやすい理由:ホルモン補充療法が全身に良い影響を与えるという漠然としたイメージから、がんのリスクも減ると誤解しやすい。混同注意:他の更年期障害の症状緩和と、がんリスクの関連を混同しやすい。
- 2. 正解。更年期以降の女性はエストロゲンの減少により骨密度が低下し、骨粗しょう症のリスクが高まります。ホルモン補充療法はエストロゲンを補充することで骨密度の維持を助け、骨粗しょう症やそれに伴う骨折のリスクを低減する効果があります。
- 3. エストロゲン単独のホルモン補充療法は子宮体がんのリスクを上昇させます。子宮のある女性に対しては、プロゲステロン(黄体ホルモン)も併用することで、このリスクを打ち消すことができます。正しくは:子宮体がんのリスクは上昇する(プロゲステロン併用でリスクは相殺される)。選びやすい理由:更年期特有の症状改善とがんの予防効果を混同しがち。混同注意:子宮体がんに対するエストロゲンの単独使用と、プロゲステロン併用療法の違いを混同しやすい。
- 4. ホルモン補充療法は、特に経口薬の場合、静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症や肺塞栓症)のリスクを上昇させることが知られています。正しくは:静脈血栓塞栓症のリスクは上昇する。選びやすい理由:血管系の健康維持に良いというイメージから、血栓症のリスクが減ると誤解しやすい。混同注意:動脈硬化抑制効果と血栓症リスク上昇を混同しやすい。
国試ポイント
ホルモン補充療法(HRT)の適応、効果、そして潜在的なリスクに関する正確な知識が問われています。特に、どの疾患のリスクが低下し、どの疾患のリスクが上昇するのかを具体的に理解しているかを確認する問題形式です。
混同注意
HRTは更年期症状の緩和に広く用いられますが、疾患リスクへの影響は多様です。乳がん、子宮体がん、静脈血栓塞栓症のリスク上昇と、骨粗しょう症リスクの低下を混同しやすいです。特に、子宮体がんについてはプロゲステロン併用の有無でリスクが大きく変わる点も混同のポイントとなります。
次に同じ論点が出たら
この論点が出題された場合、HRTの具体的な適応と禁忌、および各臓器への影響(特にがん、血栓症、骨)について、より詳細な知識が問われる可能性があります。また、治療法を選択する際の患者背景(子宮の有無、既往歴)とリスク・ベネフィットのバランスを考慮する問題も予想されます。
関連知識
ホルモン補充療法(HRT)の適用ガイドライン、各ホルモンの作用、エストロゲン欠乏による身体への影響(更年期症状全般、心血管疾患リスク、脂質代謝への影響など)。経皮吸収型製剤と経口製剤でのリスクの違い(特に血栓症)。