令和3年度(2021年度)の高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律に基づく対応状況等に関する調査で、養介護施設従事者等による高齢者虐待について正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第114回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
令和3年度の厚生労働省の調査結果では、養護者による高齢者虐待の相談・通報件数が38,103件であるのに対し、養介護施設従事者等による虐待の相談・通報件数は2,390件でした。この統計は、養護者による虐待の方が圧倒的に多く発生していることを明確に示しており、選択肢4が正しい記述です。
選択肢ごとの解説
- 1. 令和3年度の厚生労働省の調査結果によると、養介護施設従事者等による虐待の種類では、身体的虐待が最も多く(60.6%)、心理的虐待は2番目(38.2%)です。正しくは:高齢者虐待の種類では、身体的虐待が最も多く報告されています。選びやすい理由:養護者による高齢者虐待では心理的虐待が最も多い傾向があるため、混同しやすいです。また、施設内での言葉の暴力や無視も起こりうるため、心理的虐待が多いと誤解する可能性があります。混同注意:養護者による高齢者虐待の種類別件数(心理的虐待が最多)と混同しやすいです。
- 2. 令和3年度の厚生労働省の調査結果では、養介護施設従事者等による虐待の被虐待高齢者の性別は、男性が45.4%、女性が54.6%と報告されており、女性が約90%を占めるというのは誤りです。正しくは:虐待を受けた高齢者のうち、女性が占める割合は約55%です。選びやすい理由:養護者による高齢者虐待では女性の割合が高い(約75%)ため、そのイメージから高い割合だと誤解しやすいです。高齢女性は身体的に脆弱であり、介護施設でも虐待の対象になりやすいという一般的な認識も選択を誘うかもしれません。混同注意:養護者による高齢者虐待の被虐待者の性別割合(女性が高い)と混同しやすいです。
- 3. 令和3年度の厚生労働省の調査結果では、養介護施設従事者等による虐待の発生要因として最も多く挙げられているのは「教育・知識・介護技術等に関する問題」(53.3%)であり、ストレスの問題(23.8%)は2番目です。正しくは:虐待の発生要因として最も多く挙げられているのは、養介護施設従事者等の教育・知識・介護技術等に関する問題です。選びやすい理由:介護職のストレスは社会的な問題として広く認識されており、虐待の重要な要因の一つであるため、最も多い要因だと考えやすいです。介護現場の過重労働や精神的負担から、直感的にこれを選んでしまう可能性があります。混同注意:介護現場のストレスが要因となること自体は事実ですが、統計上の最多要因とは異なる点を混同しやすいです。
- 4. 正解。令和3年度の厚生労働省の調査結果によると、養護者による高齢者虐待の相談・通報件数は38,103件、養介護施設従事者等による虐待の相談・通報件数は2,390件であり、養護者による虐待件数が圧倒的に多いことが示されています。これは毎年一貫して見られる傾向です。
国試ポイント
高齢者虐待防止法に基づく統計調査の結果に関する知識が問われています。特に、養護者による虐待と養介護施設従事者等による虐待の現状(件数、種類、被虐待者の特徴、発生要因など)を正確に理解しているかがポイントとなります。
混同注意
養護者による高齢者虐待と、養介護施設従事者等による高齢者虐待の統計データ(虐待の種類、被虐待高齢者の性別、発生要因、相談・通報件数など)を混同しやすいです。それぞれの傾向を区別して覚える必要があります。
次に同じ論点が出たら
今後も高齢者虐待に関する最新の調査結果(厚生労働省発表)はチェックが必要です。特に、養護者と施設従事者等による虐待の傾向の違い(件数の相対的な大小、主な虐待の種類、被虐待者の傾向、主な発生要因など)を比較して理解することが重要です。具体的な数値を暗記するよりも、全体的な傾向や最多の項目を把握するようにしましょう。
関連知識
高齢者虐待防止法(高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律)の目的と内容、高齢者虐待の種類(身体的虐待、心理的虐待、経済的虐待、性的虐待、ネグレクト)、虐待の早期発見と通報義務、市町村や都道府県の役割、虐待対応の手順など。