Aさん(75歳、男性)は、妻(70歳)と2人暮らし。2型糖尿病の治療中で、2年前から1日2回朝・夕食前に混合型インスリン注射が開始となった。その後、糖尿病性網膜症による視力障害が進んだため、現在は妻と一緒に単位数や針の確認をし、インスリンの自己注射を実施している。 外来受診時にAさんの妻から外来看護師に「2人で協力してインスリン注射することには慣れてきました。たまには夜に夫とゆっくり和食を食べに行きたいのですが、外出時の注射で気を付けることを教えてほしい」と相談があった。Aさんと妻への外来看護師の指導内容で適切なのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第109回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
外出先でのインスリン注射は、他者の視線を気にせず、衛生的に行える場所の確保が重要です。飲食店では、従業員に確認することで適切な場所(多目的トイレ、個室など)を利用できる可能性があります。これは患者のプライバシー保護と安全な実施のために不可欠な指導内容です。
選択肢ごとの解説
- 1. インスリン注射は食前に行うことが一般的ですが、お店に着いた時間と食事開始時間によっては、すぐに注射することが適切でない場合もあります。食事内容やタイミングに合わせて注射時間を調整する必要があります。正しくは:「食事の時間に合わせて、適切なタイミングで注射を行いましょう」選びやすい理由:食事前に注射するイメージから、お店に着いたらすぐに打つと誤解しやすい。混同注意:食事のタイミングと注射タイミングの関連性を誤解する可能性がある。
- 2. 未開封のインスリンは冷蔵保存が必要ですが、開封後のインスリン製剤は、製品にもよりますが通常1ヶ月以内であれば室温(約1〜30℃)で保存・携帯が可能です。ただし、直射日光や高温を避ける必要があります。正しくは:「開封済みのインスリンは、直射日光や高温を避けて室温で携帯できます。未開封のものは冷蔵保存が必要です」選びやすい理由:インスリン=冷蔵保存という知識から、常温での携帯も不可と考えてしまう。混同注意:未開封と開封後のインスリンの保存方法を混同する可能性がある。
- 3. 正解。公共の場所でのインスリン自己注射は、プライバシーや衛生面、周囲の視線などを考慮し、適切な場所で行うことが望ましいです。飲食店などの外出先では、多目的トイレや個室など、注射に適した場所があるかをお店のスタッフに確認することが重要です。選びやすい理由:特に無し。混同注意:特に無し。
- 4. 外出時の食事内容(糖質や脂質の量)、活動量、飲酒の有無などにより、インスリン量の調整が必要になる場合がありますが、一概に「増やす必要がある」とは限りません。食事内容が普段と変わらない場合や活動量が多い場合は減らすこともあり、個別の状況に応じた指導が必要です。正しくは:「外出時の食事内容や活動量に応じて、インスリン量の調整が必要になる場合がありますので、医師や看護師と相談しましょう」選びやすい理由:外食=高カロリーな食事というイメージから、インスリンを増やすと安易に考えてしまう。混同注意:インスリン量調整の原則と、外食時の特殊性を結びつけられない可能性がある。
国試ポイント
糖尿病患者の自己管理指導、特に外出時のインスリン注射に関する注意点。患者のQOL向上を支援しつつ、安全かつ適切に自己注射を継続できるよう指導することが求められます。
混同注意
インスリンの保存方法や注射タイミングの調整は重要ですが、外出先で「どこで打つか」という実践的な問題に対する指導が最も直接的かつ緊急性の高い配慮事項となります。
次に同じ論点が出たら
この患者が実際に外食に出かける際、具体的な食事内容(例: 糖質量、アルコール摂取の有無)を想定し、それに合わせたインスリン量調整について具体的に指導できるか。
関連知識
インスリン製剤の種類と作用時間、食事療法(カーボカウント)、低血糖時の対応、シックデイの対応、自己注射手技。