Aさん(75歳、男性)は、妻(70歳)と2人暮らし。2型糖尿病の治療中で、2年前から1日2回朝・夕食前に混合型インスリン注射が開始となった。その後、糖尿病性網膜症による視力障害が進んだため、現在は妻と一緒に単位数や針の確認をし、インスリンの自己注射を実施している。 インスリン治療開始後3年、Aさんは妻の付き添いで散歩を取り入れ運動療法にも取り組んでいたが、靴ずれが悪化し右第5趾に潰瘍ができた。そこで要介護1の認定を受けて訪問看護が週2回導入され、フットケアの指導が行われることになった。訪問看護師が行う妻への指導内容で適切なのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第109回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2・3番
解説
滲出液の臭いの変化は感染兆候の重要な指標であり、早期発見と介入に繋がります。泡立てた石鹸で優しく洗うことは皮膚への刺激を最小限にし、清潔保持と感染予防に効果的です。
選択肢ごとの解説
- 1. 絆創膏で足趾全体を覆うと、通気性が悪くなり、湿潤環境を助長し、細菌増殖のリスクを高めます。また、観察を妨げる可能性もあります。正しくは:潰瘍部位にのみ適切なサイズの保護材を使用し、周囲の皮膚を圧迫せず、通気性を確保する。選びやすい理由:傷を保護したいという一般的な感覚から。混同注意:開放創の保護と、感染リスクのある足病変の管理。
- 2. 正解。感染徴候の一つである滲出液の臭いの変化(特に悪臭)は、細菌感染の可能性を示唆します。早期発見により、適切な処置に繋がります。選びやすい理由:感染兆候の重要性への理解。混同注意:正常な滲出液と感染性滲出液の鑑別。
- 3. 正解。泡立てた石鹸は皮膚への摩擦刺激を軽減し、優しく洗浄できます。これにより、皮膚の損傷を防ぎ、清潔を保ち、感染予防に繋がります。選びやすい理由:皮膚への優しさと清潔保持の重要性への理解。混同注意:ゴシゴシ洗うことによる清潔感と、皮膚を傷つけるリスク。
- 4. 糖尿病患者は神経障害により温痛覚が低下していることが多く、42℃の湯では熱傷のリスクがあります。足浴に適した温度は38℃から40℃程度です。正しくは:足浴には38℃から40℃程度の湯を使用する。選びやすい理由:一般的な入浴温度や、温かい方が良いという感覚から。混同注意:健常者の入浴温度と、温痛覚障害のある糖尿病患者の足浴温度。
- 5. 大きいサイズの靴は、足と靴の間に摩擦が生じやすくなり、靴ずれや新たな潰瘍形成の原因となります。適切なサイズの靴を選ぶことが重要です。正しくは:足の形に合った、適切なサイズの靴を履く。選びやすい理由:窮屈な靴は良くないという認識から、大きい方が良いと誤解する。混同注意:適切なフィット感のある靴と、単にゆとりのある靴の違い。
国試ポイント
糖尿病患者のフットケアにおける感染兆候の観察と適切な足の洗い方。
混同注意
通常の足のケアと糖尿病患者のフットケアの違い、特に保温目的の足浴の温度。
次に同じ論点が出たら
糖尿病患者の足病変管理において、感染リスクの評価と清潔保持の方法が適切に選択されているか。
関連知識
糖尿病性神経障害、末梢動脈疾患、足病変の重症度分類、感染の5徴候(発赤、熱感、腫脹、疼痛、機能障害)。