カウンセリングの基本的態度で適切なのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第110回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
カウンセリングの基本的な態度として「受容」は極めて重要です。受容とは、クライエントの感情、思考、言動などを、善悪や正誤の判断を加えずに、ありのままに受け入れることです。これにより、クライエントは安全で信頼できる環境の中で自己開示を進め、自己理解を深め、問題解決に向けて自律的に取り組むことができるようになります。他の選択肢は、カウンセリングの目的に反するか、基本的な態度としては不適切です。
選択肢ごとの解説
- 1. クライエントの状態を一方的に査定することは、カウンセリングの初期段階で関係性を築く上での基本的な態度ではありません。査定は必要ですが、それはカウンセリングの過程で専門家が行うものであり、クライエントに対する「態度」としては不適切です。正しくは:クライエントの感情や状況をありのままに受け止める「受容」が適切な態度です。選びやすい理由:クライエントを理解するためには査定が必要だと感じるかもしれませんが、それはクライエントへの接し方とは異なります。混同注意:「アセスメント」という言葉と混同しやすいですが、アセスメントは専門的な情報収集や分析であり、カウンセラーの基本的な対人態度とは異なります。
- 2. カウンセリングでは、クライエント自身が問題解決に向けて主体的に考え、行動することが促されます。カウンセラーが一方的に指示を出すことは、クライエントの自律性を阻害し、依存を招く可能性があるため、基本的な態度としては不適切です。正しくは:クライエントの主体性を尊重し、自己決定を促す「受容」の姿勢が求められます。選びやすい理由:クライエントを助けたいという気持ちから、具体的なアドバイスや指示を与えたくなることがあります。混同注意:「助言」や「指導」と混同しやすいですが、カウンセリングの基本は傾聴と共感であり、安易な指示は避けるべきです。
- 3. 正解。受容とは、クライエントの言動や感情、価値観などを、善悪の判断をせず、ありのままに受け入れる態度です。これにより、クライエントは安心して自己を開示できるようになり、信頼関係が構築され、自己成長へとつながります。これはカウンセリングの最も基本的な態度の一つです。
- 4. 同化とは、クライエントと感情や考え方を完全に一致させることを指しますが、これはカウンセリングにおいて客観性や専門性を失わせるリスクがあります。カウンセラーはクライエントに共感はしますが、同一化するわけではありません。正しくは:クライエントの感情を理解し寄り添う「共感」は重要ですが、自分自身がクライエントと同じ状態になる「同化」とは異なります。適切なのは「受容」です。選びやすい理由:クライエントに寄り添うことと同化することを混同しやすいです。深く理解しようとするあまり、感情が同一化してしまうことがあります。混同注意:「共感」と混同しやすいですが、共感は相手の感情を理解しつつも自分自身の立場を保つことです。同化は境界線が曖昧になる状態です。
- 5. カウンセリングにおいて、クライエントの言動や感情を良いか悪いか、正しいか間違っているかといった基準で評価する態度は、クライエントの自己開示を妨げ、不信感を生じさせます。クライエントは評価されることを恐れて本音を語れなくなります。正しくは:クライエントを価値判断せず、ありのままを受け入れる「受容」が適切な態度です。選びやすい理由:クライエントの問題点を把握しようとする際に、評価という言葉を連想しやすいですが、これはカウンセリングにおける基本的な態度としては不適切です。混同注意:「アセスメント」や「査定」と混同しやすいですが、それらは情報収集や分析のプロセスであり、クライエントに対する対人態度ではありません。
国試ポイント
カウンセリングにおける傾聴、共感、受容といった基本的な態度や原則が問われる問題です。特にカール・ロジャーズのクライエント中心療法における「受容(無条件の肯定的配慮)」は頻出テーマです。
混同注意
「共感」と「同情」、「同化」の違いや、「受容」と「承認」のニュアンスの違いなども問われることがあります。また、「助言」や「指示」と「自己決定の支援」との区別も重要です。
次に同じ論点が出たら
次回同じ論点が出た場合、カウンセリングにおける「共感」や「自己一致」の意味、あるいはそれぞれの態度がクライエントに与える影響について問われる可能性があります。
関連知識
カール・ロジャーズのクライエント中心療法における3原則(自己一致、無条件の肯定的配慮、共感的理解)、インフォームドコンセント、秘密保持の原則、守秘義務、カウンセリングのプロセス(導入、展開、終結)。