胆汁の作用はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第114回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
胆汁は肝臓で生成され、胆嚢で濃縮・貯蔵された後、十二指腸へ分泌されます。その主たる生理機能は、食物中の脂肪を乳化することです。乳化された脂肪は、膵臓から分泌されるリパーゼの作用を受けやすくなり、効率的な消化と吸収を可能にします。胆汁自体には消化酵素は含まれていませんが、脂肪消化の必須因子です。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。胆汁に含まれる胆汁酸は、食物中の大きな脂肪滴を小さな粒子に分散させ、消化酵素であるリパーゼが作用しやすい状態にする乳化作用を持っています。これにより、脂肪の消化吸収が促進されます。正しくは:この記述は正しいです。選びやすい理由:脂肪の消化そのものと混同しやすいですが、胆汁は消化酵素を含まず、あくまで消化を助ける働き(乳化)をします。混同注意:胆汁が脂肪を「分解」すると誤解されがちですが、分解するのは膵リパーゼなどの酵素です。
- 2. 蛋白質の分解は主に胃でペプシンによって、小腸でトリプシンやキモトリプシンなどの膵酵素によって行われます。胆汁には蛋白質を分解する作用はありません。正しくは:蛋白質の分解は胃や小腸で行われる。胆汁はこれに関与しない。選びやすい理由:消化に関わる液体であるため、全ての主要栄養素の消化に関わると思われがちです。混同注意:胃液や膵液と胆汁の役割を混同する可能性があります。
- 3. 胃酸の分泌は主にガストリン、ヒスタミン、アセチルコリンによって促進されます。胆汁は胃酸の分泌を促進する作用は持っていません。正しくは:胃酸分泌は主にガストリンなどによって調節される。胆汁は直接関与しない。選びやすい理由:消化管全体の連携作用を考えると、間接的な影響を推測してしまうかもしれませんが、直接的な促進作用はありません。混同注意:消化管ホルモンや神経系の働きと、胆汁の役割を混同することがあります。
- 4. 炭水化物の分解は、主に唾液中のアミラーゼと膵液中のアミラーゼ、そして小腸粘膜の消化酵素(マルターゼ、スクラーゼ、ラクターゼなど)によって行われます。胆汁には炭水化物を分解する作用はありません。正しくは:炭水化物の分解はアミラーゼなどの酵素によって行われる。胆汁はこれに関与しない。選びやすい理由:消化に関わる液体であるため、全ての主要栄養素の消化に関わると思われがちです。混同注意:膵液や唾液のアミラーゼと胆汁の役割を混同する可能性があります。
国試ポイント
胆汁の主要な生理作用である「脂肪の乳化」を正確に理解しているかが問われます。他の消化液(胃液、膵液、腸液など)が持つ酵素の作用と混同しないことが重要です。
混同注意
胆汁は脂肪の消化を『助ける』役割であり、脂肪を『分解する』役割ではない点を混同しやすいです。分解はリパーゼの働きです。
次に同じ論点が出たら
胆汁の生成、分泌、および関連臓器(肝臓、胆嚢、膵臓)の連携に関する知識を問う問題へ発展する可能性があります。
関連知識
胆汁の成分(胆汁酸、ビリルビン、コレステロールなど)、胆汁の生成・分泌経路、胆汁の不足によって生じる問題(脂肪便など)。