廃用症候群の説明で適切なのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第115回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
長期間の臥床や活動性の低下は、骨からカルシウムが血液中に溶け出す骨吸収の亢進を引き起こし、高カルシウム血症となります。この高カルシウム血症により、尿中のカルシウム排泄が増加し、尿路結石(特に腎結石や尿管結石)の形成リスクが高まるため、廃用症候群の代表的な合併症の一つとして知られています。
選択肢ごとの解説
- 1. 廃用症候群は、疾患の種類に関わらず、長期間の臥床や身体活動の低下があれば誰にでも起こりえます。がん患者も例外ではなく、病状の悪化や治療による活動能力(ADL)の低下があれば廃用症候群を発症する可能性があります。正しくは:悪性腫瘍の患者にも発症する可能性がある。選びやすい理由:がんの直接的な症状とは異なるため、関連がないと誤解するかもしれません。混同注意:廃用症候群が、特定の疾患に限定して起こるものだと誤解している場合があります。
- 2. 正解。長期間の臥床や活動性の低下により、骨からのカルシウム流出(骨吸収亢進)が起こり、血中や尿中のカルシウム濃度が上昇します。これにより、尿路での結石形成リスクが高まるため、尿路結石(腎結石や尿管結石など)を発症しやすくなります。選びやすい理由:廃用症候群の多様な合併症を知らない場合、意外に感じるかもしれません。混同注意:尿路結石と聞くと、水分摂取量不足や食事内容との関連をまず考えがちですが、廃用症候群における骨代謝の変化による高カルシウム尿症も重要な原因となります。
- 3. 高齢者では、若年者に比べて生理的予備能が低く、骨・筋肉量の減少や循環器機能の低下がすでに進んでいるため、廃用症候群がより短期間で急速に進行しやすい傾向にあります。一度廃用症候群に陥ると回復にも時間がかかります。正しくは:年齢が上がるほど進行が早くなる、または進行しやすい。選びやすい理由:一般的に、加齢によって病気の進行が遅くなるケースもあるため、混同しやすいです。混同注意:代謝が落ちる、回復が遅いといった一般的な高齢者のイメージと、廃用症候群の進行速度を混同しやすいです。
- 4. 廃用症候群の主な循環器系の変化としては、起立性低血圧や心機能低下、静脈血栓症などがあります。活動性の低下は、むしろ起立性低血圧を招くことが多いです。高血圧は廃用症候群の直接的な結果としてではなく、活動不足による肥満や動脈硬化の進行などが要因となる場合もありますが、一般的に廃用症候群の直接的な合併症として高血圧が挙げられることは稀です。正しくは:結果として起立性低血圧を引き起こすことが多い。選びやすい理由:活動不足が生活習慣病(高血圧含む)に繋がるという漠然とした知識から、正しいと誤解する可能性があります。混同注意:活動量低下による血圧調節障害(低血圧傾向)と、一般的な生活習慣病としての高血圧を混同している可能性があります。
国試ポイント
廃用症候群の病態生理と主要な合併症(骨・筋肉系、循環器系、呼吸器系、消化器系、泌尿器系、精神神経系など)を正確に理解しているかを問う問題です。特に、骨代謝の変化による尿路結石のリスクは重要な論点です。
混同注意
廃用症候群の合併症について、症状の直接的な原因と間接的な原因を混同しやすい点や、加齢との関連性について一般的な高齢者の生理的変化と廃用症候群の進行速度を混同しやすい点が挙げられます。また、複数の疾患の合併症を混同しやすい傾向もあります。
次に同じ論点が出たら
廃用症候群の患者に対する具体的な看護介入を問う問題が出題された場合、症状と合併症に対する適切なケアを判断できるか。廃用症候群の予防策について、優先度の高いものを選択できるか。廃用症候群の早期発見のための観察項目を挙げられるか。
関連知識
廃用症候群の定義と原因:活動性低下による身体的・精神的機能の低下。各系統における廃用症候群の症状と合併症:運動器系(筋萎縮、関節拘縮、骨粗鬆症)、循環器系(起立性低血圧、心機能低下、静脈血栓症)、呼吸器系(肺炎、換気能低下)、消化器系(食欲不振、便秘)、泌尿器系(尿路結石、尿路感染症)、精神神経系(認知機能低下、うつ状態、せん妄)。廃用症候群の予防と看護:早期離床、リハビリテーション、体位変換、栄養管理、排泄ケア。