呼吸音の変化と原因の組合せで正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第110回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
肺炎では、肺胞内に炎症性滲出液が貯留し、肺組織が充実化します。これにより、気管支で発生した呼吸音が通常よりも広範囲に伝わりやすくなり、本来肺野では聴取されない気管支呼吸音が聴取されるようになります。
選択肢ごとの解説
- 1. 胸水があると、胸腔内に液体が貯留するため、肺が圧迫されて換気が障害されます。この場合、呼吸音は減弱することが一般的です。呼気延長は、気管支喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの閉塞性肺疾患でみられる変化です。正しくは:呼気延長と気管支喘息選びやすい理由:呼吸音の変化と病態を結びつける選択肢ではあるため、一見すると正しそうに思えるかもしれません。混同注意:閉塞性肺疾患による呼気延長と、胸水による呼吸音減弱が混同される可能性があります。
- 2. 過換気症候群は、呼吸回数や深さが増加することで体内の二酸化炭素濃度が異常に低下する状態です。この状態では、むしろ呼吸音は増強するか、少なくとも減弱することはありません。正しくは:呼吸音の増強と運動後選びやすい理由:呼吸に関連する症状ではあるため、関連性を疑うかもしれませんが、具体的な呼吸音の変化とは異なります。混同注意:呼吸の異常(過換気)と呼吸音の物理的変化(減弱)が直接結びつかない点で混乱しやすいかもしれません。
- 3. 無気肺は、肺の一部または全体が虚脱し、換気が行われなくなった状態です。空気が入らないため、呼吸音は減弱または消失するのが一般的です。正しくは:呼吸音の減弱と無気肺選びやすい理由:無気肺という病態は呼吸音の変化を伴いますが、その変化の方向が逆であるため、知識の曖昧さがあると間違えやすいです。混同注意:無気肺で呼吸音が消失・減弱することを、他の部位の呼吸音の代償的増強と混同する可能性があります。
- 4. 正解。肺炎により肺胞内に炎症性滲出液が貯留すると、肺組織の空気伝導性が変化し、通常は気管支付近でのみ聴かれる気管支呼吸音が、肺野でも聴かれるようになることがあります。これは、肺胞が水で満たされ音の伝導性が高まるためです。正しくは:この記述は正しいです。選びやすい理由:気管支呼吸音は正常では気管支付近で聴かれる音であるため、肺野で聴かれることが異常であると理解できていれば正答にたどり着けます。混同注意:正常な呼吸音と異常な呼吸音の区別がついていない場合、この現象の異常性が理解できないかもしれません。
国試ポイント
呼吸音の異常とその原因となる疾患との関連性を正確に理解しているかが問われる問題です。特に、肺野で聴かれる気管支呼吸音は充実性病変の重要な所見であることを押さえておく必要があります。
混同注意
各選択肢で提示されている呼吸音の変化と病態が、一部正しい知識と混ざって提示されているため、正確な知識がないと間違えやすいです。
次に同じ論点が出たら
患者の呼吸音を聴取した際に、どの部位でどのような音が聴こえるかによって、どのような病態が予測されるかを判断できるようになることが重要です。
関連知識
正常呼吸音の種類(肺胞呼吸音、気管支呼吸音)とその聴取部位、副雑音(ラ音、喘鳴、胸膜摩擦音など)の種類とその原因疾患についても復習しておくと良いでしょう。