マズロー, A. H.の基本的欲求の階層で生理的欲求はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第114回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
マズローの欲求段階説において、生理的欲求は最も低次の欲求であり、生命維持のために不可欠な基本的なニーズ(食事、睡眠、排泄、呼吸、性など)を指します。選択肢2の「お腹が空いたと感じ、食事を摂りたい」は、この生理的欲求の典型的な例です。他の選択肢はそれぞれ「所属と愛の欲求」「自己実現の欲求」「承認の欲求」に該当し、生理的欲求より高次の欲求となります。
選択肢ごとの解説
- 1. これは「所属と愛の欲求」に該当します。他者との関係を築き、グループの一員でありたいという欲求であり、生理的欲求ではありません。正しくは:「所属と愛の欲求」に該当します。マズローの欲求段階では、安全の欲求の次に位置します。選びやすい理由:人間関係は生きていく上で非常に重要であるため、基本的な欲求と捉えやすいですが、生命維持に直接関わる生理的欲求とは異なります。混同注意:生理的欲求と、その次の「安全の欲求」や「所属と愛の欲求」との区別が混同しやすいです。所属と愛の欲求は、生命維持そのものよりも、社会的なつながりや心理的な満足に関連します。
- 2. 正解。食事、睡眠、排泄、呼吸など、生命維持に不可欠な欲求が「生理的欲求」です。空腹を満たしたいという欲求は、この最も基本的な生理的欲求に該当します。
- 3. これは「自己実現の欲求」に該当します。自己の潜在能力を最大限に発揮し、自分らしい生き方を追求する、マズローの欲求段階で最も高次の欲求です。正しくは:「自己実現の欲求」に該当します。この欲求は、自己の成長や達成感を求めるもので、生理的欲求とは異なります。選びやすい理由:人間が最終的に目指す理想的な状態であるため、非常に重要な欲求であると感じられますが、生命維持に直接関わる欲求ではありません。混同注意:「承認の欲求」や、単なる「個人的な願望」と混同しやすいです。自己実現は、他の低次欲求が満たされて初めて意識されやすくなる欲求です。
- 4. これは「承認の欲求」に該当します。他者からの評価、尊敬、自己肯定感を得たいという欲求であり、生理的欲求ではありません。正しくは:「承認の欲求」に該当します。これは所属と愛の欲求の次に位置し、自尊心や他者からの評価を求めるものです。選びやすい理由:社会生活を送る上で他者からの評価は非常に重要であるため、基本的な欲求と誤解する可能性がありますが、生命維持とは直接関係しません。混同注意:「所属と愛の欲求」や「自己実現の欲求」と混同しやすいです。承認の欲求は、集団に属するだけでなく、その集団の中で一定の評価を得たいという、より高次の欲求です。
国試ポイント
マズローの欲求段階説は、人間の行動原理を理解する上で非常に重要な概念であり、看護師国家試験でも頻出です。特に、それぞれの欲求段階(生理的欲求、安全の欲求、所属と愛の欲求、承認の欲求、自己実現の欲求)の具体的な内容と、患者さんの状況と結びつけてどの欲求が満たされていないかを判断できるかが問われます。この問題では、最も基本的な生理的欲求の理解が問われています。
混同注意
生理的欲求と混同しやすいのは、次に位置する「安全の欲求」です。生理的欲求が身体的・生物学的な生命維持そのものに関わるのに対し、安全の欲求は身体的・精神的な安全や安定、危険からの回避を求めるものです。例えば、「病気にならないようにしたい」や「経済的な安定を確保したい」などは安全の欲求に当たります。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、生理的欲求以外の各段階(安全の欲求、所属と愛の欲求、承認の欲求、自己実現の欲求)の具体的な事例を正確に識別できるかを確認しましょう。また、複数の欲求が同時に存在する状況で、どの欲求が優先されるべきか(例:緊急性の高い生理的欲求の充足が最優先される)を判断できる応用力も求められます。
関連知識
マズローの欲求段階説は、低次の欲求が満たされて初めて高次の欲求が生まれるという階層性を示しています。下の3つの欲求(生理的欲求、安全の欲求、所属と愛の欲求)は「欠乏欲求」と呼ばれ、満たされないと不満が生じます。上の2つの欲求(承認の欲求、自己実現の欲求)は「成長欲求」と呼ばれ、満たされることでさらに成長を促します。看護の現場では、患者さんの状態をアセスメントし、どの欲求が満たされていないのかを把握してケアに繋げることが重要です。