胎児循環で酸素を最も多く含む血液が流れているのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第114回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
胎児循環では、胎盤が肺の役割を担い、母体から酸素と栄養を受け取ります。この酸素が豊富な血液は、臍静脈を通って胎児の体内へ流入するため、臍静脈が胎児循環の中で最も酸素飽和度が高い血液を運んでいます。その後、臍静脈の血液は静脈管を通って下大静脈に合流し、右心房へと送られます。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。胎盤で母体から酸素と栄養を受け取った血液は、臍静脈を通って胎児の心臓へ向かいます。この血液が胎児循環の中で最も酸素飽和度が高いです。
- 2. 臍動脈は、胎児の体内から酸素や栄養が利用された後の、酸素飽和度が低くなった血液を胎盤へ送り返す血管です。正しくは:胎児循環で最も酸素を多く含む血液が流れているのは臍静脈であり、臍動脈は酸素が少ない血液を胎児から胎盤へ送ります。選びやすい理由:臍という名前から胎児循環の中心的な血管の一つであることは理解できますが、一般的な体循環での動脈と静脈の役割が混同されやすいです。混同注意:臍静脈の機能と混同しやすいです。また、一般的な体循環では動脈が酸素に富む血液を運ぶため、その知識と逆転する胎児循環の臍帯血管の役割を混同しやすいです。
- 3. 胎児の肺はガス交換の機能を果たしていないため、肺静脈には酸素化された血液はほとんど流れていません。これは出生後の循環における役割です。正しくは:出生後の循環であれば、肺静脈は肺で酸素化された血液を心臓へ送りますが、胎児期では肺は機能しておらず、ほとんど酸素化された血液は流れていません。選びやすい理由:出生後の循環では酸素を多く含む血液が流れるため、その知識と混同しやすいです。混同注意:出生後の循環における肺循環の役割と胎児循環の特性、特に肺の機能が異なる点を混同しやすいです。
- 4. 胎児の肺動脈には酸素飽和度の低い血液が流れ、その大部分は動脈管を通って大動脈へ送られ、肺へ流入する血流はごくわずかです。正しくは:胎児の肺動脈には酸素飽和度の低い血液が流れ、肺への血流は少なく、大部分は動脈管を介して全身へ向かいます。選びやすい理由:一般的な循環で「動脈」という言葉が酸素を運ぶ血管を想起させるため、誤解する可能性がありますが、肺動脈は全身から心臓に戻った酸素の少ない血液を肺に送る血管です。混同注意:一般的な循環における肺動脈の機能、また臍動脈と混同することもあるかもしれません。
国試ポイント
胎児循環の特殊性を理解しているか、特に酸素濃度が高い血液が流れる経路と、出生後の循環との違いを正確に区別できるかを確認する問題です。臍帯血管(動脈と静脈)の役割を正しく把握していることが重要です。
混同注意
一般的な体循環における動脈と静脈の役割(動脈=酸素豊富、静脈=酸素少ない)が、胎児循環の臍帯血管では逆になる点を混同しやすいです。また、出生後の肺循環の役割と、胎児期の肺の非機能性を混同することもあります。
次に同じ論点が出たら
胎児循環に関する問題が出た場合、まず「胎盤からの酸素供給」と「肺の非機能性」という2つの大原則を念頭に置き、各血管やシャント(卵円孔、動脈管、静脈管)がどのような血流を担っているかを具体的に追跡できるかを確認する。特に、酸素飽和度の変化と各臓器への血流配分がポイントとなるでしょう。
関連知識
胎児循環の主要な特徴である、静脈管、卵円孔、動脈管といったシャント(短絡路)の機能と、それぞれがどのような血流経路を担っているかを理解することが重要です。また、出生後にこれらのシャントが閉鎖し、成人型の循環に移行する過程も関連知識として問われます。臍帯は臍静脈1本と臍動脈2本から構成されます。