Aさん(20歳、女性、外国籍)は、6月に来日し、9月に大学に入学した。入学して1週後、Aさんは大学でめまいを起こして座り込み、同じ国から昨年留学生として来日した友人に付き添われ病院の内科外来を受診した。外来では多くの患者が受診を待っており、診察までに時間がかかっていた。Aさんは、日常会話程度の日本語が話せ「身体がだるくて立っていられません」と看護師に伝えた。 Aさんは、急性骨髄性白血病と診断され、血液内科病棟の2人部屋に緊急入院になった。病棟看護師が入院オリエンテーションをするため病室を訪れたところ、同室の患者から「Aさんの香水の香りが強いので、つらい」と訴えがあり、看護師もその香りが気になった。看護師の対応で適切なのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第109回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
香りの強さが治療に与える影響について説明することで、Aさん自身の疾患(急性骨髄性白血病)や同室患者への影響を理解してもらい、自主的な行動変容を促すことが重要です。特に、免疫力低下状態にある患者にとって、環境調整は感染予防の観点からも極めて重要です。
選択肢ごとの解説
- 1. 同室患者の移動は、Aさんへの説明・協力を求めるよりも前の段階であり、安易な移動提案は、Aさんの状況を考慮せず、問題の根本的な解決につながらない可能性があります。また、病室の稼働状況や患者の病状によっては移動が困難な場合もあります。正しくは:まずはAさんへの説明と理解を求めるべきです。選びやすい理由:同室患者の苦痛をすぐに解消したいという気持ちから、手っ取り早い解決策に見えるため。混同注意:患者の訴えに対する即時対応と、根本的な問題解決のアプローチ。
- 2. 一方的な指示は、Aさんの感情を害し、今後の治療における信頼関係の構築を阻害する可能性があります。患者の自律性を尊重し、まずは状況を説明し、理解を得ることが重要です。正しくは:香りが治療に与える影響を説明し、Aさん自身に香水を洗い流すことの必要性を理解してもらうよう努めるべきです。選びやすい理由:匂いの問題を迅速に解決したいという思いから、指示することで解決すると思いがちであるため。混同注意:医療者の指示権限と、患者の自律性尊重。
- 3. 香水の使用に医師の許可が常に必要であるという規定は一般的ではなく、また、香水の使用を許可制にすることは、今回の匂いの問題に対する適切な対応ではありません。医師の許可という形式的な対応ではなく、具体的な影響について説明するべきです。正しくは:香りが治療に与える影響について説明し、今後の使用についてAさんと相談すべきです。選びやすい理由:医療現場での規則や許可を求めることで問題を解決しようとする思考になりがちであるため。混同注意:一般的な医療機関のルールと、個別の状況に応じた柔軟な対応。
- 4. 正解。Aさん自身が香りの強さが急性骨髄性白血病という自身の疾患や免疫力低下状態にある同室患者に与える影響(例:呼吸器症状の誘発、気分不良、アレルギー反応、感染リスク)を理解することで、自主的に香水の使用を控える行動変容につながります。これは患者の自律性を尊重した上で、適切な療養環境を維持するための最も適切なアプローチです。選びやすい理由:患者への十分な説明を通じて、患者自身に問題解決を促すという看護の基本原則に則っているため。
国試ポイント
医療現場における環境調整と患者への説明責任、および共用スペースでの配慮に関する看護師の役割。
混同注意
患者の権利と、他者への配慮や医療環境の安全確保のバランスの取り方。
次に同じ論点が出たら
患者の行動が他者に影響を与える場合、まずはその影響について具体的に説明し、患者の理解と納得を得た上で行動変容を促すアプローチが適切であるか。
関連知識
化学療法中の患者は免疫抑制状態にあり、感染リスクが高まるため、病室の清潔保持や不必要な刺激の排除が重要です。また、香料に含まれる化学物質がアレルギー反応や呼吸器症状を引き起こす可能性もあります。