災害医療におけるトリアージについて正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第106回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
災害医療におけるトリアージの目的は、多数の傷病者が発生し医療資源が不足する状況下で、限られた医療資源を最も効果的に配分し、最大限の救命効果を上げることです。傷病者の重症度、緊急性、救命可能性に基づいて治療優先順位を決定することで、より多くの命を救うことを目指します。
選択肢ごとの解説
- 1. トリアージは病名による分類ではなく、重症度と緊急性に基づいて分類します。多数の傷病者が発生する災害医療において、病名を確定してから治療方針を決定する方法は非効率であり、迅速な判断が求められます。正しくは:傷病者を重症度と緊急性に基づいて分類します。選びやすい理由:病名による分類も医療において重要ですが、災害時のトリアージにおいては、より広範な視点での重症度判定が優先されます。混同注意:通常の医療現場での診断と、災害時の迅速な重症度分類は目的が異なります。トリアージでは、具体的な病名よりも、生命の危険度や予後への影響を考慮します。
- 2. 危険区域と安全区域の区別は、災害現場での安全管理や二次災害防止のために重要ですが、トリアージ自体は傷病者の治療優先順位を決定する行為です。これらは災害医療における別の重要な要素です。正しくは:傷病者の治療優先順位を決定することです。選びやすい理由:安全区域の確保は災害医療の前提条件の一つであり、トリアージと密接に関連しているように感じられるかもしれませんが、直接的なトリアージの定義ではありません。混同注意:トリアージは傷病者に対する行為であり、場所の区分けではありません。安全管理はトリアージを行う上での環境整備の一部です。
- 3. 正解。災害時など医療資源が限られている状況下で、最も多くの命を救うために、傷病者の重症度と治療の緊急性に応じて医療資源(人材、医薬品、設備など)を最適に分配することがトリアージの主要な目的です。これにより、助かる見込みのある傷病者への治療を優先し、限られた資源を最大限に活用します。選びやすい理由:この選択肢は、トリアージの根本的な目的を明確に示しています。混同注意:トリアージは単なる選別ではなく、資源配分の最適化という戦略的な意図を持っています。
- 4. トリアージの原則は「最大限の救命」であり、救命が困難な患者(黒タグ)に対する治療は、助かる見込みのある患者(赤・黄タグ)への治療を優先した後に行われるのが一般的です。資源が限られる状況では、救命可能性の高い患者に資源を集中させることで、全体としての救命数を最大化します。正しくは:救命の可能性が高い患者の治療を優先します。選びやすい理由:「患者を優先する」という言葉に引きつけられがちですが、災害医療では救命の可能性が重要な判断基準となります。混同注意:倫理的には全ての命が尊いですが、災害医療という非常事態においては、限られた資源の中で最大の救命効果を上げるための現実的な判断が求められます。
国試ポイント
災害医療におけるトリアージの定義と目的、およびその基本的な考え方を理解しているかが問われています。特に、限られた資源を最大限に活用し、多くの命を救うという理念が重要です。
混同注意
災害現場での安全確保(危険区域と安全区域の区別)や、通常の医療現場での診断プロセス(病名による分類)と混同しないように注意が必要です。また、救命困難な患者への対応はトリアージの重要な側面ではありますが、優先順位としては救命可能性の高い患者が上位となります。
次に同じ論点が出たら
トリアージ実施時の具体的な判断基準や、各タグが示す処置の優先順位について説明できるようになる必要があります。
関連知識
トリアージタグ(赤、黄、緑、黒)の色分けとその意味、各色の傷病者が示す状態と必要な処置について理解しておくことが重要です。また、トリアージを行う際の判断基準(呼吸、循環、意識レベルなど)も関連知識となります。