Aさん(81歳、男性)は、大腸内視鏡検査を受けることになった。検査前にAさんへ看護師が確認する項目で最も優先されるのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第114回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
大腸内視鏡検査では、腸管前処置のために多量の下剤を服用し、検査中も長時間の臥床や体位変換が求められます。前立腺肥大症の患者は排尿障害を合併していることが多く、頻尿や尿閉のリスクが高まるため、検査中の不快感や検査中断につながる可能性があります。排尿に関する情報を事前に確認することで、適切な排尿援助や計画を立てることができ、患者の安全と検査の円滑な進行に寄与します。そのため、最も優先して確認すべき項目です。
選択肢ごとの解説
- 1. 大腸内視鏡検査において、義歯の使用は直接的な影響が少ないため、優先度は低いと考えられます。全身麻酔下での検査や上部消化管内視鏡検査であれば優先度は高まります。正しくは:上部消化管内視鏡検査や全身麻酔下での検査であれば、義歯の有無や取り外しについて確認する。選びやすい理由:口腔内の状態も全身管理の一部だが、大腸内視鏡検査の直接的なリスク因子ではない。混同注意:胃カメラ(上部内視鏡検査)と混同して、義歯の確認が重要だと誤解する可能性がある。
- 2. 白内障は視力に影響を与える疾患ですが、大腸内視鏡検査の実施自体や合併症のリスクには直接関連しないため、優先度は低い項目です。検査の説明や同意を得る際に視力補助が必要かどうかの確認は必要ですが、検査前の最優先事項ではありません。正しくは:検査の説明時に、視覚に支障がないか、補正具(眼鏡など)の必要性を確認する。選びやすい理由:高齢者によく見られる疾患であり、検査説明の理解度に関わる可能性があると思うかもしれない。混同注意:高齢者によくある病気なので、何か関係があるのではないかと考えるかもしれない。
- 3. 大腸内視鏡検査では体位変換が必要となる場合がありますが、検査中に患者の状態に合わせて調整可能であり、事前に最も優先して確認する事項ではありません。検査中の協力を得るための情報としては重要ですが、緊急性やリスク管理の面での優先度は前立腺肥大症より低いと考えられます。正しくは:検査中に体位変換の協力を求める際や、検査後の安楽な体位について確認する。選びやすい理由:検査中の協力や苦痛軽減のために重要な情報だと考えるかもしれない。混同注意:検査中の安楽性や協力という側面で重要だと誤解する可能性がある。
- 4. 正解。大腸内視鏡検査前には、腸管を空にするための下剤を服用し、検査中も水分摂取が制限されるため、尿意を催しやすくなります。前立腺肥大症の患者は排尿障害を抱えていることが多く、検査中の不快感や検査中断のリスクを高める可能性があります。排尿状況の把握と対策(導尿など)を事前に検討する必要があるため、最も優先して確認すべき項目です。
国試ポイント
大腸内視鏡検査における前処置と検査中の患者の状態変化に関する知識、特に高齢男性に多い疾患が検査に与える影響を理解しているかが問われている。合併症や検査の中断を避けるためのリスク管理が重要。
混同注意
他の選択肢も高齢者の健康状態に関連する項目ですが、大腸内視鏡検査の直接的な安全性や円滑な実施に与える影響の度合いで優先順位が異なります。特に「維持できない体位」は検査中の協力に影響するため、迷う可能性がある。
次に同じ論点が出たら
前立腺肥大症の有無を確認後、排尿状況の詳細(頻尿、残尿感、夜間頻尿、排尿困難の程度)を把握し、必要に応じて泌尿器科医との連携、検査中の導尿準備、検査室までの導線確認、個別の排尿計画を立てる。
関連知識
大腸内視鏡検査の前処置(下剤の種類、服用方法、飲水制限)、検査中の体位、鎮静剤の使用、検査後の観察項目。高齢者の生理的変化と疾患(排尿機能の低下、認知機能、視力・聴力低下)が医療処置に与える影響。