Aさん(28歳、女性)は、両親と3人で暮らしている。24歳のときに統合失調症を発症し治療を開始している。Aさんは大学卒業後に一度就職したが、発症後に退職し、現在も無職である。2週前から元気がなく、自室に引きこもって独り言を言っているのが目立つようになったため、両親同伴で外来を受診した。両親からは、1年前から便秘が続き、Aさんが薬の副作用(有害事象)を気にするようになったという話があった。 Aさんへの対応で最も適切なのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第106回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
患者の訴えに対して、共感的かつ協働的な姿勢で対応することが求められます。便秘という具体的な問題に対して、解決策を一緒に考えるという提案は、患者の主体性を尊重し、問題解決への意欲を引き出す上で最も適切です。
選択肢ごとの解説
- 1. 患者の訴えに寄り添わず、一方的に服薬を強制するような表現は、信頼関係を損ね、服薬アドヒアランスの低下につながる可能性があります。患者の気持ちを受け止めた上で、服薬の必要性を理解してもらう姿勢が重要です。正しくは:患者の訴えを聞き入れ、その上で服薬の必要性や疑問を解消するための対話を促す表現に修正します。選びやすい理由:服薬は治療の基本であるため、その重要性を伝えたいという意図は理解できますが、伝え方が一方的です。混同注意:患者の気持ちを無視した指導になっていないか。
- 2. 一般的な情報ではありますが、Aさんが便秘を副作用として感じている状況で、単に「副作用はあるもの」と伝えるだけでは、不安の解消や具体的な問題解決にはつながりません。むしろ不安を増幅させる可能性もあります。正しくは:Aさんの具体的な訴え(便秘)に対して、それが副作用である可能性や、それに対する対処法について言及する表現に修正します。選びやすい理由:事実を伝えているため、正しい情報提供と捉えがちですが、患者の個別な訴えに対する応答としては不適切です。混同注意:患者の具体的な訴えに対して、抽象的な情報提供で良いのか。
- 3. 便秘は多くの薬剤で起こり得る副作用の一つであり、特に鎮痛薬などでは一般的です。安易に副作用ではないと否定することは、患者の訴えを軽視することにつながり、不信感を生むだけでなく、適切なアセスメントの機会を失う可能性があります。正しくは:便秘が薬剤の副作用である可能性も考慮し、患者の訴えを受け止め、原因を探る姿勢を示す表現に修正します。選びやすい理由:一部の薬では便秘が副作用ではない場合もありますが、一般的には副作用として考慮すべきです。混同注意:便秘が必ずしも薬剤の副作用ではないと断定してしまわないか。
- 4. 正解。患者の訴え(便秘)に寄り添い、共感を示しながら、その問題解決に向けて協働する姿勢を示す、最も適切な対応です。これにより、患者は安心して問題を相談できるようになり、信頼関係の構築にもつながります。また、便秘の原因が薬剤によるものであれば対処法を検討し、それ以外の原因であれば生活習慣の見直しなど、具体的な行動を促すことができます。正しくは:この選択肢は適切であるため、修正の必要はありません。選びやすい理由:患者の訴えを肯定し、具体的な解決策を共に探る姿勢は、看護師として非常に重要です。混同注意:患者の訴えを傾聴し、問題解決に向けて共同する姿勢が重要であると理解できているか。
国試ポイント
患者の訴えへの共感と傾聴、問題解決に向けた協働的姿勢、そして具体的な介入の提案が問われています。単なる情報提供や一方的な指導ではなく、患者中心のケアが重要であることを理解しているかがポイントです。
混同注意
他の選択肢は、患者の訴えを軽視したり、一方的に情報を伝えたりするものであり、患者との信頼関係構築や問題解決にはつながりません。
次に同じ論点が出たら
便秘の具体的な原因を探り(薬剤性か否か、生活習慣要因など)、それぞれに応じた対処法(下剤の検討、食事指導、運動促進など)を計画・実行する。
関連知識
患者中心のケア、アドヒアランスの向上、副作用のアセスメントと対処、コミュニケーションスキル。