4人の小児の入院患者を受け持っている日勤の看護師が、患者に付き添っている母親から立て続けにナースコールを受けた。訪室の優先順位が高いのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第115回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
化学療法薬の血管外漏出は、周囲組織に重篤な損傷を与える可能性があるため、点滴部位の腫脹が認められた場合は、直ちに点滴を中止し、適切な処置を開始する必要があります。他の選択肢は、緊急性が低いか、直ちに生命に関わる状況ではありません。
選択肢ごとの解説
- 1. 嘔吐は胃腸炎の症状としてよく見られ、緊急性は比較的低い。正しくは:呼吸困難や意識障害を伴う嘔吐であれば緊急性が高い。選びやすい理由:子どもが嘔吐すると保護者は心配するため、緊急性が高く感じられるかもしれない。混同注意:単なる嘔吐と、誤嚥や脱水を伴う緊急性の高い嘔吐との区別。
- 2. 正解。化学療法中の薬剤は血管外漏出すると組織障害を起こすリスクが高く、速やかな対応が必要であるため、訪室の優先順位が最も高い。点滴部位の腫脹は血管外漏出のサインである。
- 3. 点滴終了は予定された処置であり、直ちに生命に関わる緊急性はない。他の緊急性の高い状況と比較すると優先度は低い。正しくは:点滴ラインの閉塞や薬剤の副作用が疑われる場合は緊急性が高まる。選びやすい理由:点滴終了後の処置(抜針など)が必要なため、対応が必要と感じやすい。混同注意:ルーティンな処置と緊急対応の区別。
- 4. 留置針が抜けても出血がない場合、直ちに生命を脅かす状況ではない。再挿入は必要だが、緊急性は化学療法の血管外漏出より低い。正しくは:多量出血がある場合や、他の緊急処置が必要なルートである場合は緊急性が高い。選びやすい理由:乳幼児の針抜けは保護者にとって不安な状況であり、すぐに見てほしいと思われがち。混同注意:ルート確保の必要性と、現在の緊急事態の有無の区別。
国試ポイント
小児科病棟における緊急性の判断能力と、各状況に対する看護師の優先順位付けが問われています。特に、化学療法の血管外漏出のリスクとその対応の重要性を理解しているかを確認しています。
混同注意
小児の状況は保護者の不安が大きいため、すべてのコールが緊急に感じられやすいですが、医学的な緊急度を冷静に判断する能力が求められます。
次に同じ論点が出たら
同様の論点で出題された場合、緊急度を判断する際に『生命の危険性』『不可逆的な障害の可能性』『速やかな介入による予後の改善度』の3点を軸に考える。特に薬剤による合併症のリスクは重要視される。
関連知識
化学療法薬の分類と血管外漏出を起こしやすい薬剤、血管外漏出時の症状、初期対応(中止、薬剤の除去、冷却・温罨法、拮抗薬の局所注射など)、静脈炎と血管外漏出の鑑別、小児のバイタルサインの異常、脱水症状、誤嚥性肺炎のリスク。