Aちゃん(1歳6か月、男児)は、5日前から発熱し、自宅近くのかかりつけ医に通院していたが解熱せず、昨日から眼球結膜の充血、口唇の発赤と亀裂が出現したため入院した。診察では、体幹の発疹と手足の浮腫もあり、川崎病および脱水症と診断された。Aちゃんに対し、点滴静脈内注射による脱水症の治療が開始され、左手掌から前腕までシーネで固定された。Aちゃんは機嫌が悪く、両手をバタバタと上下に動かしながら泣いている。左手背の留置針刺入部には、腫脹や発赤はない。 Aちゃんの心臓超音波検査結果では、冠状動脈瘤の所見はなかった。Aちゃんは、全身状態が安定したため退院することになった。看護師からAちゃんの家族への退院指導で適切なのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第108回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
川崎病による冠動脈瘤は退院時に認められなくても、将来的に動脈硬化の危険因子となる可能性があるため、心血管系の長期的なフォローアップが重要です。定期的な受診により、心機能や冠動脈の状態を評価し、合併症の早期発見・介入に繋がります。
選択肢ごとの解説
- 1. 冠動脈瘤がない場合、運動制限の必要性は低いことが多いです。ただし、個々の状態によって判断されるため、一律に制限する説明は適切ではありません。正しくは:激しい運動の制限は、冠動脈病変の程度や心機能に応じて個別に判断されるため、一般的には不要な場合が多いです。選びやすい理由:心臓の病気というイメージから、運動を控えるべきだと考えやすいため。混同注意:急性期の安静や、重度の冠動脈病変が残存している場合の運動制限。
- 2. 正解。川崎病は冠動脈瘤が認められなくても、将来的に動脈硬化の危険因子となる可能性があり、心血管系の長期的なフォローアップが重要であるため、定期的な受診は必須です。選びやすい理由:正しい知識に基づく適切な指導であるため。混同注意:他の急性期を脱したらフォローが不要な疾患。
- 3. 全身状態が安定しているAちゃんに対し、水分摂取量を制限する医学的根拠はありません。むしろ、発熱時など脱水を避けるために適切な水分摂取が推奨されます。正しくは:全身状態が安定していれば、水分摂取量を制限する必要はありません。むしろ、適切な水分摂取を促します。選びやすい理由:心不全などの心疾患では水分制限が行われることがあるため、心臓に関わる病気では水分制限が必要だと誤解しやすい。混同注意:心不全や腎不全など、体液管理が必要な他の疾患の指導。
- 4. 川崎病は感染症ではなく、ほかの子どもにうつることはありません。冠状動脈瘤の所見もなく全身状態が安定して退院するAちゃんに、保育所への通所を2週間禁止する必要はありません。正しくは:医師の指示に従い、体調が良ければ保育所への通所を再開できます。選びやすい理由:退院直後なので、念のためにしばらく安静にすべきだと考えやすいため。混同注意:感染症など、他者への感染リスクがある場合の登園禁止期間。
国試ポイント
川崎病の急性期治療後の長期的な管理と、家族への退院指導の重要性。
混同注意
川崎病の急性期管理と慢性期管理、特に冠動脈病変の有無による指導内容の違い。
次に同じ論点が出たら
退院指導の問題では、疾患の病態生理に基づいた長期的な管理の必要性(特に合併症のフォローアップ)と、具体的な生活指導の適切性に着目して判断します。
関連知識
川崎病は、急性期の炎症が治まっても、冠動脈病変の有無にかかわらず、将来的な虚血性心疾患のリスク上昇が指摘されています。そのため、定期的な心エコー検査や心電図検査などのフォローアップが必要です。低用量アスピリンの服用が継続される場合もあります。