健康を人々の権利として明記したのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第111回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1・3番(いずれも正解)
解説
【公式の取扱い】この問題は1つを選ぶ形式ですが、公式の正答表では1・3のいずれも正解とされています。 世界保健機関(WHO)憲章前文は、健康の享受を基本的人権と明確に位置付けています。また、世界人権宣言第25条1項も、衣食住、医療を含む生活水準の権利の一部として、健康と福祉の権利を規定しており、健康権が国際的な人権として認められていることを示しています。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。WHO憲章前文には「到達しうる最高水準の健康を享受することは、人種、宗教、政治的信条、経済的または社会的条件のいかんを問わず、すべての人間にとっての基本的人権の一つである」と明記されており、健康を基本的人権として確立しています。
- 2. ジュネーブ宣言は、医師が医療行為を行う上での倫理規定(例:患者の健康と福祉を最優先するなど)を定めたものであり、患者の健康権そのものを普遍的な権利として明記しているわけではありません。正しくは:ジュネーブ宣言は、医師が良心と尊厳をもって職務を遂行し、患者の健康と福祉を最優先するという、医師の責務を規定しています。選びやすい理由:医療倫理に関わる重要な宣言であるため、健康権と関連すると誤解しやすいですが、その主旨は医師の行動規範にあります。混同注意:普遍的な健康権を明記する国際的な憲章や宣言と、医療従事者の倫理規定を混同しやすいです。
- 3. 正解。世界人権宣言第25条1項には「すべて人は、衣食住、医療、必要な社会的役務などを含む、自己および家族の健康と福祉に十分な生活水準についての権利を有する」と明記されており、健康権が人権の一部として含まれています。
- 4. リスボン宣言は、「情報を受ける権利」「自己決定の権利」「プライバシーの権利」など、患者が医療を受ける上で持つ具体的な権利を定めていますが、健康そのものを「人々の普遍的な権利」として明記するものではありません。これは患者と医療者の関係における権利に焦点を当てています。正しくは:リスボン宣言は、患者が医療を受ける際に持つ、情報開示、自己決定、プライバシー保護などの具体的な権利を定めています。選びやすい理由:「患者の権利」という言葉から、健康に関する権利と直接結びつけてしまいやすいですが、その内容は医療を受ける際の権利に特化しています。混同注意:健康権を普遍的な権利として定める文書と、患者が医療を受ける際に持つ具体的な権利を定める文書を混同しやすいです。
国試ポイント
国際的な医療倫理や権利に関する主要な文書の内容と目的を正確に理解しているかが問われます。特に「健康権」というキーワードに注目し、どの文書がそれを普遍的な権利として直接的に言及しているかを識別する知識が求められます。
混同注意
患者の権利(リスボン宣言)や医師の倫理(ジュネーブ宣言)といった、医療実践における具体的な権利や規範に関する文書と、すべての人類に共通する普遍的な『健康権』を明記する国際文書(WHO憲章、世界人権宣言)の違いを混同しやすい点が挙げられます。
次に同じ論点が出たら
次回この論点が出題される場合、他の国際的な人権文書(例:社会権規約)における健康権の扱いや、国内の法整備における健康権の保障状況が問われる可能性があります。各宣言や憲章の具体的な条文内容まで掘り下げて理解することが重要です。
関連知識
この問題に関連して、世界人権宣言を具体化する『経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約(社会権規約)』第12条も、『身体的および精神的健康についての到達可能な最高水準を享受する権利』を明記しており、健康権の国際的な保障の進展を理解する上で重要です。また、看護師の倫理綱領や国内の医療法規も関連知識として挙げられます。