入院中のAさんは昨晩、体温が38.8℃であったため解熱剤の坐薬を使用した。今朝の検温では37.0℃であった。Aさんが「ずっとお風呂に入っていないから背中がかゆい」と話したため、看護師が確認すると背部に発汗がみられた。客観的情報の記録で適切なのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第114回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
看護記録において、客観的情報とは看護師が五感(視覚、聴覚、触覚など)で直接観察したり、測定機器を用いて測定したりできる事実を指します。「背部に発汗がある」は、看護師が実際に目視で確認できる事実であり、誰が見ても同じ情報を得られるため、客観的情報として適切に記録されるべきです。一方、患者の訴えは主観的情報、看護師の判断や解釈はアセスメント、今後のケアは計画に分類されます。
選択肢ごとの解説
- 1. これは患者さん自身の感覚や訴えであり、看護師が直接観察したり測定したりできる客観的な事実ではありません。患者の主観的な情報として記録すべきです。正しくは:「患者は『背中がかゆい』と訴えている。」と記載し、主観的情報であることを明記します。選びやすい理由:患者さんの訴えも看護記録に含めるべき重要な情報なので、これを客観的情報と混同しやすいです。混同注意:主観的情報と客観的情報の区別が混同されやすいです。
- 2. 正解。看護師が直接目視で確認した、疑いの余地のない事実であり、誰が見ても同じように認識できるため、客観的な情報として適切です。
- 3. これは体温の変化から看護師が判断した「効果」という解釈やアセスメントであり、直接観察された客観的な事実そのものではありません。正しくは:「体温が38.8℃から37.0℃に下降した。」と具体的な数値を客観的事実として記載し、その後に「解熱剤の効果が考えられる。」とアセスメントとして記述します。選びやすい理由:体温が実際に下がったという事実があり、坐薬を使った結果であると明確なため、客観的情報だと誤解しやすいです。混同注意:事実に基づいたアセスメントと、直接観察された客観的事実の区別が混同されやすいです。
- 4. これは今後行うべき看護行為(計画)であり、現在の患者さんの客観的な状態を示す情報ではありません。正しくは:「背部の発汗を認め、患者の安楽のため全身清拭を計画する。」のように、アセスメントと計画に分けて記載します。選びやすい理由:発汗があるため清拭が必要だと判断し、取るべき行動として正しいと感じるため、客観的情報だと誤認しやすいです。混同注意:客観的情報と、看護計画や実施内容の区別が混同されやすいです。
国試ポイント
看護師国家試験では、看護記録の基本原則、特に主観的情報(S: Subjective)と客観的情報(O: Objective)の区別が頻繁に問われます。患者の訴え、観察された症状、測定値、実施したケアとそれに伴う反応などを正確に区別して記録する能力が求められます。
混同注意
患者の訴え(主観的情報)と看護師の観察(客観的情報)、そして客観的事実に基づいた解釈(アセスメント)や今後の看護計画・実施内容が混同されやすいです。特に、客観的事実(例: 体温下降)から導かれる解釈(例: 坐薬の効果)を、直接的な客観的情報として誤認しやすい点に注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
次に同様の問題が出題されたら、提示された情報が「患者の直接の訴え(主観)」か、「看護師が五感で観察・測定した事実(客観)」か、「看護師の判断・解釈(アセスメント)」か、「今後行う行為やその結果(計画・実施)」かを厳密に区別して判断してください。特に、誰が見ても同じ事実として確認できる情報に注目することが重要です。
関連知識
看護記録は、患者の状態把握、医療チーム間の情報共有、法的証拠、研究資料など多岐にわたる重要な役割を担います。そのため、正確性、客観性、簡潔性が求められます。SOAP形式やSOAPIE形式など、記録のフレームワークを理解し、各項目に適切な情報を分類して記載する能力が重要です。