Aさん(24歳、初産婦、会社員)は、現在、両親と妹の4人で暮らしている。パートナー(24歳、会社員)と結婚する予定である。Aさんは、妊娠8週の妊婦健康診査で「朝起きると気持ちが悪くあまり食べられません。台所から食べ物の匂いがするだけで吐き気がします」と話している。 Aさんは、妊娠23週に結婚し、パートナーの家に転居した。翌週の妊婦健康診査で、Aさんは「最近は、結婚や引っ越しで忙しかったです。これから新しい環境に慣れていきたいと思っています」と話した。妊娠経過は順調である。このときに看護師がAさんに対して説明する内容で優先度が高いのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第106回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
妊娠23週は、妊婦健診の受診頻度が4週に1回から2週に1回へと移行する時期にあたります。Aさんは結婚と転居という大きな環境変化の直後であり、これらのライフイベントによって新しい生活リズムが確立されていない可能性があります。このような状況では、妊婦健診の適切な受診間隔を再確認し、確実に継続してもらうことが母体と胎児の健康管理において最も重要となります。健診の継続は、妊娠経過の異常を早期に発見し、適切な介入を行うために不可欠です。
選択肢ごとの解説
- 1. 妊娠23週の段階では、出産がまだ先であるため、保育所の選択に関する情報は優先度が低いです。出産後の生活を見据える上で重要な情報ですが、現時点での緊急性は低いと言えます。正しくは:妊娠後期や出産後に改めて説明します。選びやすい理由:将来的な子育ての計画を立てる上で必要な情報ではあるため、早い段階で情報提供すべきと考えるかもしれませんが、現時点では優先度が低い。混同注意:出産準備全般と混同し、早期の情報提供が必要だと誤解する可能性があります。
- 2. 乳房の手入れは出産後に向けて大切な準備ですが、一般的には妊娠後期(妊娠8か月から9か月頃)から指導されることが多く、妊娠23週の現時点では最も優先すべき事項ではありません。個々の状態によっては早期からのケアが必要な場合もありますが、一般的には優先度は後になります。正しくは:妊娠後期に入ってから、具体的な乳房ケアの方法について説明します。選びやすい理由:授乳準備として重要であり、早めに知っておくべきと考えるかもしれません。混同注意:出産準備の一つとして早期から意識すべきことと誤解しがちですが、具体的な手入れの開始時期はもう少し先です。
- 3. 側臥位での睡眠は、妊娠後期に子宮が大きくなり仰臥位で下大静脈が圧迫されるのを避けるために重要となる情報です。妊娠23週ではまだ子宮の圧迫はそれほど大きくなく、緊急性は低いです。後期に入ってから説明すべき内容です。正しくは:妊娠後期に入り、子宮がさらに大きくなってきたら、側臥位での睡眠を勧める説明を行います。選びやすい理由:妊娠中の安眠方法として重要であり、早くから指導すべきと考えるかもしれません。混同注意:妊娠中の体位に関する注意点として重要視しがちですが、その必要性が高まるのはもう少し後の時期です。
- 4. 正解。Aさんは結婚と転居という大きなライフイベントを経験しており、新たな環境に慣れる中で妊婦健診の受診計画が変更になったり、忘れてしまったりするリスクがあります。特に、妊娠23週は妊婦健診の受診頻度が増える時期であり(一般的に4週に1回から2週に1回になることが多い)、受診を確実に継続することが母体と胎児の健康維持に直結するため、最も優先して説明すべき事項です。選びやすい理由:日常生活のサポートや精神的なケアも重要ですが、医学的・継続的な健康管理という点で健診受診頻度の確認が最も重要です。混同注意:生活環境の変化に対する精神的サポートと、具体的な健康管理の継続性の優先順位を混同する可能性があります。
国試ポイント
本設問は、妊婦の状況変化(結婚、転居)と妊娠週数に応じた看護師の優先的な介入を問うものです。特に、妊娠週数ごとの妊婦健診の受診頻度の変化と、生活環境の変化が健康管理に与える影響を理解しているかがポイントとなります。
混同注意
他の選択肢も妊娠中に必要な情報ですが、妊娠23週という時期と、患者の「環境変化」という状況を考慮すると、妊婦健診の継続が最も緊急性が高く、優先されるべきです。乳房ケアや側臥位の睡眠はもう少し後の時期で十分であり、保育所選択は出産後の話です。
次に同じ論点が出たら
妊婦健診の受診頻度について説明した後、Aさんの新しい生活環境での困りごとや不安について傾聴し、必要に応じて地域の社会資源の情報提供など、心理的・社会的なサポートも検討する。
関連知識
妊婦健診の受診スケジュール(妊娠23週までは4週に1回、妊娠24週から35週までは2週に1回、妊娠36週以降は週に1回)、ライフイベントが妊婦の健康管理に与える影響、看護師による優先順位の判断。