令和元年度(2019年度)「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律に基づく対応状況等に関する調査」の結果において、養護者による高齢者虐待に関する説明で正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第111回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
令和元年度の調査報告によると、養護者による高齢者虐待の被虐待者の認知症高齢者の日常生活自立度判定基準では、「ランクⅡ」(日常生活に支障を来すような症状・行動や意思疎通の困難さが多少見られても、誰かが注意していれば自立できる状態)が最も高い割合を占めています。これは、認知症が進行し始める段階で、介護負担が増加し、虐待につながりやすい状況を示すと考えられます。
選択肢ごとの解説
- 1. 養護者による虐待では、娘が最も多く、次に息子、夫と続きます。夫からの虐待が最多ではありません。正しくは:娘からの虐待が最も多く見られる。選びやすい理由:夫婦間の問題は虐待につながりやすいと考えるかもしれないが、統計データでは異なる。混同注意:「家族からの虐待」という漠然としたイメージと「夫からの虐待」を結びつけがち。
- 2. 虐待を受けている高齢者の性別は女性が約7割、男性が約3割です。9割には達しません。正しくは:虐待を受けている高齢者の約7割が女性である。選びやすい理由:高齢者の女性比率が高いことから、虐待被害者も女性が多いという推測はできるが、9割は過大である。混同注意:高齢者人口に占める女性の割合と、被虐待高齢者に占める女性の割合を混同する可能性。
- 3. 精神的虐待は最も多い種類ですが、その割合は約4割であり、6割ではありません。身体的虐待と合わせても6割強です。正しくは:精神的虐待が全体の約4割を占めている。選びやすい理由:精神的虐待が多いという認識は正しいが、具体的な割合を誤認しやすい。混同注意:精神的虐待の重要性や件数の多さから、その割合を実際より高く見積もってしまう可能性。
- 4. 正解。令和元年度の調査結果では、被虐待高齢者の認知症高齢者の日常生活自立度判定基準はランクⅡが最も多く、次いでランクM、ランクⅢaと続きます。正しくは:この記述は正しい。選びやすい理由:ランクが高いほど虐待を受けやすいという漠然としたイメージから、ランクⅢやⅣを想定するかもしれない。混同注意:認知症の進行度と虐待の関連を正確に理解していない場合、特定のランクが最多であることを判別しにくい。
国試ポイント
高齢者虐待防止法の概要と、具体的な調査結果に関する知識。特に、虐待の発生状況、虐待者の続柄、被虐待者の特性(性別、認知症の程度)など、厚生労働省が毎年発表する調査結果の主要なデータポイントを把握しているかが問われます。
混同注意
各選択肢が示す数値や割合が近接しているため、正確な統計データを覚えていないと判断が難しい。特に、虐待者の続柄や虐待の種類、被虐待者の認知症自立度に関する詳細な数値を混同しやすい。
次に同じ論点が出たら
今後、最新の高齢者虐待に関する調査結果が発表された場合、その主要なデータポイントも同様に学習しておく必要がある。
関連知識
高齢者虐待の種類(身体的虐待、介護等放棄、心理的虐待、性的虐待、経済的虐待)、虐待者の続柄の傾向、被虐待高齢者の特徴(性別、要介護度、認知症の有無・程度)、高齢者虐待防止法の目的と内容。