結晶性知能はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第111回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
結晶性知能は、経験や学習を通じて獲得された知識やスキル、推論能力を指します。日常的な問題解決において、これまでの経験を活かして効率的な方法を見つけ出す行為は、結晶性知能の典型的な例です。スーパーマーケットから自宅までの近道を考えることは、過去の移動経験や地理的知識を統合し、最適な経路を選択する能力であり、まさに結晶性知能が発揮される場面です。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。結晶性知能は、経験や学習によって培われ、生涯を通じて維持または向上する知識やスキルを指します。よく利用する場所からの近道を考えることは、過去の経験や知識を応用して問題を解決する能力であり、結晶性知能の一例です。正しくは:この選択肢は結晶性知能の定義と合致しており、修正は不要です。選びやすい理由:他の選択肢も学習を伴うように見えるが、新しい情報を覚える流動性知能に近い活動である。混同注意:流動性知能と混同しがちだが、結晶性知能は既得の知識や経験を基盤とする。
- 2. 新しいパソコンの操作方法を覚えることは、新しい情報を学習し、その場で処理する能力を必要とします。これは流動性知能(新しい状況への適応能力や情報処理速度)の側面が強く、結晶性知能ではありません。結晶性知能は既得の知識や経験の活用を指します。正しくは:新しい操作方法を習得するのではなく、既に習得した操作方法を応用して複雑な作業を効率的にこなす、といった内容であれば結晶性知能に近くなります。選びやすい理由:学習という点で知能と結びつきやすいが、これは新規学習であり流動性知能の要素が強い。混同注意:「覚える」という行為は、新規学習を指すため、既存知識の活用である結晶性知能とは異なる。
- 3. 電話番号をスマートフォンに登録する行為は、指示に従い正確に情報を入力する作業であり、新しい情報を記憶したり、短期的な手順を遂行する能力に関連します。これは情報処理速度やワーキングメモリといった流動性知能の要素が強く、既存の知識を応用する結晶性知能とは異なります。正しくは:既に習得しているスマートフォンの機能を応用して、複雑な連絡先管理システムを構築する、といった内容であれば結晶性知能に近くなります。選びやすい理由:日常的な行動に見えるが、新規の情報入力は流動性知能の要素を含む。混同注意:「登録する」という行為は、新規の情報入力であり、既存知識の活用ではないため、結晶性知能とは異なる。
- 4. 外国語の単語を記憶することは、新しい情報を短期的に保持し、長期記憶に移行させるプロセスであり、主に流動性知能(新規学習能力、記憶力)が関与します。結晶性知能は、既に獲得した言語知識や語彙を用いて文章を理解したり、表現したりする能力を指します。正しくは:外国語の単語を記憶するのではなく、習得済みの外国語の知識を活用して複雑な文章を読み解く、といった内容であれば結晶性知能に近くなります。選びやすい理由:学習であるため知能活動に見えるが、これは新規の記憶活動である。混同注意:「暗記する」という行為は、新規学習の側面が強く、既存の言語知識を応用する結晶性知能とは異なる。
国試ポイント
結晶性知能と流動性知能の違いを正確に理解しているかが問われる問題です。結晶性知能は経験や学習に裏打ちされた知識やスキル、流動性知能は新しい状況での問題解決能力や情報処理速度と区別して覚えることが重要です。
混同注意
流動性知能:新しい状況に適応し、未知の問題を解決する能力。例えば、初めて見るパズルを解く、新しい技術を学ぶなど。結晶性知能と混同しやすいが、結晶性知能は既得の知識や経験の応用である。
次に同じ論点が出たら
この概念を理解していれば、具体的な行動例を見た際に、それが既存知識の応用(結晶性知能)か、新しい情報の処理・学習(流動性知能)かを判断できるようになります。
関連知識
知能の二因子説(キャッテルとホーン):レイモンド・キャッテルが提唱し、後にジョン・ホーンが発展させた知能の理論で、知能を結晶性知能と流動性知能の2つの主要な因子に分類します。流動性知能は青年期にピークを迎え、その後徐々に低下する傾向がありますが、結晶性知能は経験の蓄積により成人期以降も維持または向上すると考えられています。