起立性低血圧について正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第106回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
起立性低血圧は、起立時に重力により下肢への血液貯留が増加し、心臓への静脈還流が減少することで、心拍出量が一時的に低下する状態です。通常、自律神経の働きで血管が収縮し、心拍数が増加することで血圧が維持されますが、自律神経機能が障害されているとこの調節がうまくいかず、血圧が大きく低下して脳血流不足となり、めまいや失神などの症状が現れます。糖尿病性神経障害やパーキンソン病、多系統萎縮症などが代表的な原因疾患です。
選択肢ごとの解説
- 1. 脱水は循環血液量を減少させ、結果として起立時の血圧低下を助長するため、起立性低血圧と密接に関連しています。正しくは:脱水状態は起立性低血圧と関連があります。選びやすい理由:直接的な原因ではないと誤解されることがあるかもしれません。混同注意:循環器系の他の疾患との関連性
- 2. 高齢者では加齢に伴う自律神経機能の低下や、服用薬剤の影響などにより、起立性低血圧が発生しやすくなります。正しくは:高齢者には起こりやすい状態です。選びやすい理由:活動量の低下などから、低血圧自体が起こりにくいと誤解することがあるかもしれません。混同注意:若年者の生活習慣病
- 3. 塩分の過剰摂取は高血圧の原因となることが一般的であり、起立性低血圧の直接的な原因ではありません。むしろ、塩分制限は起立性低血圧の悪化要因となる場合があります(循環血液量減少のため)。正しくは:塩分摂取の不足や制限が原因となることがあります。選びやすい理由:血圧に関わる要因なので、何かしら関係があると考えてしまうかもしれません。混同注意:高血圧の原因
- 4. 起立性低血圧は、起立時に脳への血流が一時的に減少し、それがめまいや失神などの症状を引き起こす状態です。正しくは:脳血流の一時的な減少によって生じます。選びやすい理由:症状が脳に関連するため、血流の変化と結びつけるかもしれませんが、方向性が逆です。混同注意:高血圧脳症など、脳血流が増加する状態
- 5. 正解。起立性低血圧の主要な原因の一つは、起立時の血圧調節に関わる自律神経(特に交感神経)の機能が障害されることです。パーキンソン病や糖尿病性神経障害などがこれに該当します。選びやすい理由:具体的な病名が挙げられていないため、漠然と感じるかもしれませんが、正しい記述です。混同注意:ホルモン系の疾患
国試ポイント
起立性低血圧の定義、主な原因(特に自律神経機能障害)、および関連因子(脱水、高齢者、薬剤)について理解しているかを問う問題です。基本的な病態生理学の知識が求められます。
混同注意
単なる貧血や、脳貧血という俗称と混同しないように注意が必要です。また、高血圧治療薬の副作用によるものも鑑別が必要です。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、起立性低血圧の具体的な症状、診断基準(収縮期血圧が20mmHg以上、または拡張期血圧が10mmHg以上低下)、非薬物療法(弾性ストッキング、水分・塩分摂取、急な体位変換を避けるなど)、薬物療法について問われる可能性があります。
関連知識
自律神経系の機能、循環器系の生理学(血圧調節機構)、高齢者の生理的変化、糖尿病やパーキンソン病の合併症。