ヒト免疫不全ウイルス〈HIV〉感染症について正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第112回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
保健所は、公衆衛生の向上のために重要な役割を担っており、HIV感染症の拡大防止もその一つです。感染の早期発見と拡大防止のため、匿名での検査を実施することで、心理的ハードルを下げ、検査受診を促進しています。検査結果のプライバシー保護も徹底されており、安心して利用できる体制が整っています。
選択肢ごとの解説
- 1. 2020年の新規感染者数は、10年前と比較して減少傾向、または横ばいであり、増加傾向ではありません。世界的には減少傾向にあります。正しくは:2020年の新規感染者数は、10年前と比較して減少傾向、または横ばいです。選びやすい理由:感染症のニュースが多い中で、無条件に感染者数が増加していると錯覚しやすい。混同注意:他の感染症の動向や、世界的な感染者数の増加傾向(過去のパンデミックなど)。
- 2. 日本国内では、男性同性間での性行為による感染が最も多く報告されており、異性間での性行為による感染はそれに次ぐものです。正しくは:日本国内では、男性同性間での性行為による感染が最も多く報告されています。選びやすい理由:一般的に性感染症は異性間での感染が多いというイメージがあるため、異性間での感染が最も多いと誤解しやすい。混同注意:一般的な性感染症の感染経路の比率。HIV感染症の国際的な疫学データ。
- 3. HIV感染症は、早期に診断され抗レトロウイルス療法(ART)を開始しても、ウイルスを完全に体内から排除し治癒させることは現在の医療では不可能です。ウイルス量を抑制し、エイズ発症を抑えることが治療の目標です。正しくは:早期に診断され治療を開始すれば、ウイルス量を抑制しエイズ発症を抑えることは可能ですが、完全にウイルスが体内から排除され治癒することはありません。選びやすい理由:他の細菌感染症など、早期治療で完治する疾患と混同したり、医療の進歩によりHIVも完治可能になったと誤解したりしやすい。混同注意:他の感染症の治癒可能性。C型肝炎など、治療薬の進歩で完治可能になった感染症。
- 4. 正解。保健所では、HIV感染症の拡大防止と早期発見を目的として、匿名かつ無料でHIVの検査を受けることが可能です。これにより、検査受診の心理的ハードルを下げ、感染の早期発見に繋げています。
国試ポイント
HIV感染症に関する疫学、予防、検査体制、治療の現状を理解しているか問われている。特に保健所での検査体制は、公衆衛生の観点から重要。
混同注意
HIV検査と他の感染症検査の匿名性。HIVの治療と他の感染症の治療による完全治癒の可否。
次に同じ論点が出たら
HIV感染症に関する問題が出た場合、最新の疫学データ(特に日本の状況)、主要な感染経路、治療の目的(完治ではなくウイルス抑制)、そして公衆衛生上の検査体制(匿名性など)の正確性を確認して判断する。
関連知識
HIV感染症は完治しないが、ART(抗レトロウイルス療法)によりウイルス量を抑制し、AIDS発症を予防できる。世界的に新規感染者数は減少傾向にあるが、日本は微減または横ばい。感染経路は性的接触が最も多く、特に男性同性間での感染が多い。