出生直後の正常新生児に当てはまる特徴はどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第108回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1・4番
解説
新生児の生理的特徴に関する問題です。選択肢1は、胎内環境への適応として生理的な多血状態にあることを示しており、正しいです。選択肢4は、大脳皮質の未熟さからみられる原始反射の一つであるバビンスキー反射が確認できることを示しており、これも正しいです。選択肢2は、腸内細菌叢の定着は出生後に徐々に進むため不適切です。選択肢3は、噴門部括約筋は未発達なため逆流しやすいのが新生児の特徴であり不適切です。選択肢5は、胎盤を通過する抗体はIgGのみであり、IgMは通過しないため不適切です。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。新生児は胎内での低酸素環境に適応するため、赤血球が一時的に多く、ヘモグロビン値が高い「生理的多血」の状態にあります。これは酸素運搬能力を確保するために必要です。
- 2. 新生児の腸は、出生直後は無菌状態に近く、生後数日かけて母乳や周囲環境から細菌が定着し始めます。多様な細菌叢が完成するのは徐々に行われます。正しくは:出生直後の新生児の腸は無菌に近い状態であり、多様な細菌叢はまだ定着していません。選びやすい理由:腸内細菌の重要性が強調されるため、すぐに定着していると考えがちですが、定着には時間がかかります。混同注意:成人の確立された腸内細菌叢と新生児の初期段階の腸内細菌叢の状況を混同することがあります。
- 3. 新生児の噴門部(食道と胃の接合部)の括約筋は未発達であり、このため胃食道逆流が起こりやすく、ミルクの吐き戻し(溢乳)が見られやすいです。正しくは:新生児の噴門部の括約筋は未発達であり、胃食道逆流を起こしやすいです。選びやすい理由:消化機能がすぐに働く必要があると誤解し、発達していると考える可能性があります。混同注意:幽門(胃の出口)の機能や、成熟した消化管の機能と混同する可能性があります。
- 4. 正解。バビンスキー反射は、新生児期にみられる原始反射の一つで、足の裏を刺激すると足の指が扇状に開く反応です。大脳皮質が未熟なため出現し、通常1歳頃までに消失します。選びやすい理由:成人では異常な反射であるため、新生児期でも異常と誤解しやすいですが、新生児期には生理的な反射です。混同注意:陽性で正常な成人ではみられない反射であり、異常な状態を示すものと混同しやすいです。原始反射全般の理解が重要です。
- 5. 胎盤を通過できる母体からの免疫グロブリンはIgGのみです。IgMは分子量が大きく胎盤を通過できません。新生児のIgMは、胎内感染などがあった場合にのみ自身で産生されます。正しくは:胎盤を通じて母体から移行する抗体はIgGである。選びやすい理由:母体からの免疫移行があることは正しいので、抗体の種類を問われると迷う可能性があります。混同注意:胎盤を通過する免疫グロブリン(IgG)と、通過しない免疫グロブリン(IgM, IgA, IgE, IgD)を混同しやすいです。
国試ポイント
新生児の生理的特徴(血液、消化器系、神経系、免疫系)に関する基本的な知識が問われています。特に、成人とは異なる特徴や、一時的な生理的現象について正確に理解しているかが重要です。
混同注意
生理的な状態と病的な状態、あるいは成人とは異なる新生児特有の正常な生理現象を混同しやすい点に注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出題された場合、新生児の各器官系の機能的未熟性とその臨床的な現れ(例:肝機能未熟性による黄疸、腎機能未熟性による濃縮力低下など)に注目して判断します。また、原始反射の種類と消失時期も確認ポイントです。
関連知識
新生児の生理的黄疸、臍帯の経過、大泉門・小泉門の閉鎖時期、その他の原始反射(モロー反射、吸啜反射など)、新生児期のバイタルサインの基準値。