肺気量分画のうちの2つを用いて肺胞換気量を算出する場合、使用するのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第60回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2・3番
解説
肺胞換気量(VA)は、「(1回換気量(Vt)−死腔量(Vd))×呼吸回数(f)」という式で算出されます。この公式から、肺胞換気量を計算するためには、1回換気量と死腔量(または死腔換気量として示されるその構成要素)の2つの要素が不可欠であることがわかります。選択肢3の「死腔換気量」は、文脈上、1回呼吸あたりの死腔量Vdを指しており、これが1回換気量Vtから差し引かれることで、実際にガス交換が行われる肺胞に到達する空気の量(肺胞換気量)が計算されます。
選択肢ごとの解説
- 1. 残気量とは、最大限に息を吐き出した後に肺内に残る空気の量であり、肺胞換気量の直接的な計算には含まれません。選びやすい理由:肺気量分画の一つであるため、計算に用いられる主要な量と誤解しやすいかもしれません。混同注意:全肺気量や機能的残気量など、他の複合的な肺気量と混同されることがあります。
- 2. 正解。1回換気量(Vt)は、1回の呼吸で出入りする空気の総量です。肺胞換気量は、この1回換気量から死腔量を差し引いた量に呼吸回数を乗じて算出されるため、計算の重要な要素となります。
- 3. 正解。死腔換気量(厳密には死腔量Vd)は、気道内にとどまりガス交換に関与しない空気の量を示します。肺胞換気量を算出する際には、1回換気量からこの死腔量を差し引く必要があるため、計算に不可欠な要素です。選択肢の「死腔換気量」は、文脈上、1回呼吸あたりの死腔量(Vd)を指していると考えられます。選びやすい理由:「換気量」という言葉から、計算に直接用いられる「量」ではなく、何かの「活動量」と捉えてしまうかもしれませんが、ここでは肺胞換気量計算の構成要素として捉えられます。混同注意:死腔換気量(Vd × 呼吸回数)と1回呼吸あたりの死腔量(Vd)との厳密な区別が曖昧になりやすいですが、肺胞換気量の計算式に用いられるのは後者です。
- 4. 予備吸気量とは、安静時の吸気後にさらに努力して吸い込める最大空気量です。これは肺胞換気量の算出には直接用いられません。選びやすい理由:1回換気量と同様に吸気の側面を示す肺気量であるため、間違って選んでしまうかもしれません。混同注意:1回換気量や最大吸気量と混同しやすいです。
- 5. 予備呼気量とは、安静時の呼気後にさらに努力して吐き出せる最大空気量です。これも肺胞換気量の算出には直接用いられません。選びやすい理由:残気量や機能的残気量など、他の呼気に関連する肺気量と混同されることがあります。混同注意:残気量や機能的残気量と混同しやすいです。
国試ポイント
肺胞換気量の定義と計算式、およびその構成要素となる各肺気量・換気量の概念を正確に理解しているかが問われる問題です。特に、総換気量と肺胞換気量の違い、死腔の概念の理解が重要となります。
混同注意
総換気量(分時換気量)と肺胞換気量の違い、および各肺気量分画の定義や相互関係について混同しやすいです。また、「死腔換気量」という言葉が1回呼吸あたりの死腔量(Vd)を指すのか、あるいは分時死腔換気量(Vd × 呼吸回数)を指すのかで混乱が生じやすいポイントです。
次に同じ論点が出たら
次に同様の問題が出題された場合、まず「何を算出するか(例:肺胞換気量、分時換気量など)」を正確に把握し、その算出に必要となる具体的な公式と構成要素を思い出すことが重要です。特に、選択肢の中に紛らわしい類似用語が含まれる可能性があるため、それぞれの用語の厳密な定義と役割を確認する必要があります。
関連知識
全肺気量、機能的残気量、努力性肺活量などの他の肺気量・肺容量の定義。生理学的死腔、解剖学的死腔の概念。呼吸数、分時換気量(総換気量)の計算。