頭部MRIと比較したとき、頭部CTで正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第61回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
頭部CTと頭部MRIを比較した場合、CTの大きな利点の一つは検査時間の短さです。数分で撮影が完了するため、緊急性の高い病態(例えば頭部外傷や急性期の脳出血など)の診断や、高齢者や小児、重症患者など、長時間の安静保持が困難な患者にとって非常に有用です。他の選択肢は、CTまたはMRIの特性に関する誤った記述です。
選択肢ごとの解説
- 1. CT検査はX線を使用するため、放射線被ばくを伴います。正しくは:放射線による被ばくがある。選びやすい理由:MRIは放射線被ばくがないため、その特徴と混同しやすいです。また、短時間で終わることから、被ばくのリスクが低いと誤解されることがあります。混同注意:MRIの最大の特徴である「放射線被ばくがない」点と混同しやすいです。
- 2. 正解。CTはMRIに比べて撮影時間が非常に短く、数分で完了することが多いため、緊急時や患者の協力が得にくい場合に特に有利な特性です。
- 3. 脳幹部は頭蓋骨に囲まれており、CTでは骨によるアーチファクト(偽像)が生じやすいため、病変の描出がMRIに比べて劣ります。MRIの方が軟部組織のコントラスト分解能が高く、脳幹部の病変評価に適しています。正しくは:脳幹部の病変描出はMRIと比較して苦手である。選びやすい理由:CTも脳内の病変を描出できるため、特定の部位の描出能力の違いを見落とすことがあります。脳出血など、CTが得意とする病変と混同されやすいです。混同注意:MRIの軟部組織描出能の優位性や、骨に囲まれた部位でのアーチファクトの問題と混同しやすいです。
- 4. 急性期の脳出血は、CT画像で高吸収域(白く)鮮明に描出されるため、診断に非常に有用です。MRIよりもCTの方が迅速かつ確実に診断できる場合が多いです。正しくは:脳出血の診断には非常に有効である。選びやすい理由:脳梗塞の診断にMRIが優れるという知識から、脳血管系の疾患全般でCTが有効でないと誤解されることがあります。混同注意:急性期脳梗塞の診断におけるMRIの優位性や、慢性期の脳出血の所見(吸収の変化)と混同しやすいです。
- 5. 急性期の脳梗塞(発症後数時間以内)は、CTでは早期の変化が捉えにくいことが多く、MRIの拡散強調画像(DWI)の方がはるかに早期かつ高精度に診断できます。CTは脳梗塞の早期診断には限界があります。ただし、脳出血の除外には有用です。正しくは:急性期の脳梗塞の診断には限界がある。選びやすい理由:脳疾患全般のスクリーニングとしてCTが使われるため、急性期の脳梗塞も診断できると誤解されることがあります。脳出血の診断能力と混同しやすいです。混同注意:脳出血の診断能力や、発症から時間が経過した脳梗塞(CTでも低吸収域として認識されやすい)と混同しやすいです。
国試ポイント
この問題は、脳画像診断におけるCTとMRIの基本的な特性、特にそれぞれの得意分野と限界、そして臨床における使い分けに関する知識を問うています。緊急時の画像診断選択、放射線被ばくの有無、特定の病変(脳出血、脳梗塞、脳幹部病変など)の描出能力の違いが重要なポイントです。
混同注意
学生が混同しやすいのは、CTとMRIそれぞれのメリット・デメリット、特に放射線被ばくの有無、撮影時間、そして急性期脳出血と急性期脳梗塞の診断におけるそれぞれの画像の優位性です。また、骨によるアーチファクトの影響も重要な鑑別点となります。
次に同じ論点が出たら
次にCTとMRIの比較問題が出題された際は、「緊急性」「被ばくの有無」「病変の種類(出血か梗塞か、骨か軟部組織か)」「患者の安静度」の4点に注目して選択肢を検討しましょう。
関連知識
CTの得意分野は、急性期脳出血、頭蓋骨骨折、石灰化病変の描出です。MRIは、急性期脳梗塞(特に拡散強調画像)、脳腫瘍、脱髄疾患、脳幹・脊髄病変、軟部組織の詳細な評価に優れています。それぞれの禁忌事項(CT: 妊婦、MRI: ペースメーカー、一部の金属インプラントなど)も関連知識として重要です。