痙直型よりアテトーゼ型の脳性麻痺で特徴的なのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第61回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
脳性麻痺のアテトーゼ型は、主に基底核の損傷に起因し、意図しない身体の動き、つまり不随意運動(アテトーゼ、舞踏病、ジストニアなど)がその最も顕著な特徴です。これに対し、痙直型は、上位運動ニューロンの障害により筋緊張の亢進(痙縮)と反射の亢進が主症状であり、不随意運動は一般的ではありません。したがって、不随意運動は痙直型と比較してアテトーゼ型に非常に特徴的な症状と言えます。
選択肢ごとの解説
- 1. 視覚障害は脳性麻痺の合併症として広く見られますが、痙直型よりもアテトーゼ型に特異的、あるいは頻度が高い特徴ではありません。特に皮質性視覚障害は痙直型脳性麻痺、特に脳室周囲白質軟化症による場合に多く見られます。選びやすい理由:脳性麻痺の多くの患者に見られる合併症であるため、選択肢として目を引きやすいかもしれませんが、病型を鑑別する決定的な特徴ではありません。混同注意:脳性麻痺全般の合併症として知られるため、特定の病型に限定される特徴と混同しやすいです。
- 2. 知的障害は脳性麻痺の合併症として知られていますが、アテトーゼ型よりも痙直型、特に四肢麻痺型に多く見られる傾向があります。アテトーゼ型では、重度の運動障害があっても知能は比較的保たれているケースが多いです。選びやすい理由:脳性麻痺の合併症として一般的なため、選びやすいかもしれませんが、アテトーゼ型に「より」特徴的ではありません。混同注意:脳性麻痺の全体的な合併症と、病型に特異的な特徴を混同しやすいです。
- 3. てんかんは脳性麻痺の重要な合併症の一つですが、アテトーゼ型よりも痙直型、特に重度の痙直型脳性麻痺(例:四肢麻痺型)でより高い頻度で報告されています。選びやすい理由:脳性麻痺の合併症として非常に一般的であり、重大な問題であるため、特徴として選択したくなるかもしれません。混同注意:脳性麻痺全体で高頻度に見られるという事実と、特定の病型に「より」特徴的であるか否かを混同しやすいです。
- 4. 歩行障害は、脳性麻痺の全ての病型に共通して見られる主要な症状です。痙直型では筋の過緊張による特徴的な歩容(例:はさみ脚歩行、尖足歩行)を示し、アテトーゼ型では不随意運動による不安定でぎこちない歩行が見られます。どちらの病型でも歩行に困難を伴うため、アテトーゼ型に「より」特徴的とは言えません。選びやすい理由:脳性麻痺の最も分かりやすい運動機能障害の一つであるため、選んでしまいやすいでしょう。混同注意:脳性麻痺の根本的な特徴である運動障害と、病型を鑑別する特定のサインを混同しやすいです。
- 5. 正解。アテトーゼ型脳性麻痺は、主に基底核の損傷が原因で生じ、特徴として不随意で、ゆったりとした、うねるような動き(アテトーゼ)や、速くて不規則な動き(舞踏病)、持続的な筋収縮による姿勢異常(ジストニア)など多様な不随意運動を伴います。これらは痙直型脳性麻痺の主な特徴である筋の固縮や反射亢進とは明確に異なり、アテトーゼ型を診断する上で最も重要な特徴です。
国試ポイント
脳性麻痺の主要な病型(痙直型、アテトーゼ型、失調型など)ごとの主な症状と、それぞれの病型を区別するための決定的な特徴を理解しているかどうかが問われています。特に、アテトーゼ型の定義的特徴である不随意運動を認識しているかが重要です。
混同注意
アテトーゼ型と痙直型の定義的特徴の混同、脳性麻痺の合併症(視覚障害、知的障害、てんかん)と病型を特徴づける主症状との混同、「歩行障害」のようにどの病型にも見られる一般的な症状と特定の病型に特有の症状との区別がよくあります。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出題される場合、他の病型(例:失調型)に特徴的な症状を問う問題や、各病型の原因部位と症状の関連性を問う問題、あるいは特定のケーススタディにおいて病型を特定させる問題などが考えられます。また、合併症の頻度や重症度の違いを比較させる問題も出題されやすいでしょう。
関連知識
脳性麻痺の病型分類とその原因部位(例:痙直型は錐体路障害、アテトーゼ型は基底核障害、失調型は小脳障害)。各病型の詳細な臨床症状(例:痙直型ではBabinski反射陽性、筋緊張亢進、クローヌス。アテトーゼ型では目的とする運動時に不随意運動が顕著になる)。脳性麻痺における合併症(知的障害、てんかん、視覚・聴覚障害、言語障害、摂食・嚥下障害、脊柱変形、股関節脱臼など)。