アポトーシスで正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第60回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
アポトーシスは、細胞が自らの遺伝子プログラムに従って能動的に死に至る過程です。このプロセスでは、細胞は縮小し、核が濃縮・断片化してアポトーシス小体を形成します。これらの小体は周囲のマクロファージなどに速やかに貪食されるため、細胞内容物が漏出することはなく、周囲の組織に炎症反応を引き起こしません。したがって、組織学的には個々の細胞が散在的にアポトーシスを起こしているように見えます。
選択肢ごとの解説
- 1. アポトーシスでは核は融解せず、クロマチンが凝縮し、核が断片化します。核の融解(核溶解)は、ネクローシスで観察される現象です。正しくは:核が濃縮・断片化する。選びやすい理由:細胞死の過程で核に変化が生じることは事実ですが、具体的な変化が融解であるか濃縮・断片化であるかを正確に区別できないと選びがちです。混同注意:ネクローシスにおける核融解(核溶解)と混同しやすいです。
- 2. アポトーシスでは細胞は縮小し、アポトーシス小体と呼ばれる小胞に分断されます。細胞が膨らむ(膨化する)のはネクローシスの特徴です。正しくは:細胞は縮小する。選びやすい理由:細胞が死滅する過程で形態が変化することは理解していても、膨張と収縮を正確に覚えていない場合に選びやすいです。混同注意:ネクローシスにおける細胞の腫大(膨化)と混同しやすいです。
- 3. 正解。アポトーシスはプログラムされた細胞死であり、通常、個々の細胞が選択的に排除されるため、周囲の細胞には影響を与えず、組織全体としては散発的・散在的に細胞死が観察されます。
- 4. アポトーシスは特定の遺伝子やシグナル伝達経路によって厳密に制御される「能動的な」細胞死プロセスです。受動的に生じる細胞死は、主にネクローシスを指します。正しくは:能動的に生じる細胞死である。選びやすい理由:細胞死という現象を、外部からの損傷などによる受動的なものと捉えがちですが、アポトーシスは細胞自らが積極的に死を選択するプロセスです。混同注意:ネクローシスにおける受動的細胞死と混同しやすいです。
- 5. アポトーシスでは細胞がアポトーシス小体に分断され、これらが速やかにマクロファージなどに貪食されるため、細胞内容物が細胞外に漏れ出すことはありません。これにより、炎症反応も引き起こされません。細胞内容物が細胞外へ漏出し、炎症を引き起こすのはネクローシスの特徴です。正しくは:細胞内容物は細胞外へ放出されない。選びやすい理由:細胞が壊れるのだから内容物が外に出るだろう、と推測しやすいですが、アポトーシスは非常に整然とした処理が行われます。混同注意:ネクローシスにおける細胞膜破壊とそれに伴う細胞内容物の放出と混同しやすいです。
国試ポイント
アポトーシスとネクローシスは細胞死の代表的な2つの様式であり、それぞれの形態学的、生化学的特徴や、炎症反応の有無、発生機序(能動的か受動的か)に関する違いが国家試験で頻繁に問われます。
混同注意
アポトーシス(プログラム細胞死)とネクローシス(組織壊死)の区別。特に細胞の形態変化、炎症の有無、発生機序、細胞内容物の運命について混同しやすいです。
次に同じ論点が出たら
今後、アポトーシスについては、その誘導経路(内因性経路、外因性経路)、主要なエフェクター分子(カスパーゼ)、そしてそれが関与する病態(癌、自己免疫疾患、神経変性疾患など)が問われる可能性があります。
関連知識
アポトーシスの生理的意義(発生、組織の恒常性維持、免疫)、ネクローシスの原因(虚血、毒素、物理的損傷)、それぞれの細胞内機序(カスパーゼの活性化、細胞膜の破壊)。