我が国のアルコール関連問題について正しいのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第53回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2・4番
解説
選択肢2は、アルコール依存症が抑うつや衝動性亢進を引き起こし、自殺リスクを高めることが医学的に確立されているため正しいです。選択肢4は、妊娠中のアルコール摂取が胎盤を介して胎児に影響を与え、胎児性アルコール症候群の主要な原因となるため正しいです。選択肢1は、日本の成人飲酒習慣者の割合は男性の方が高いため誤りです。選択肢3は、近年女性のアルコール依存症は増加傾向にあるため誤りです。選択肢5は、未成年者へのアルコール教育は問題の発生を未然に防ぐ目的であるため、一次予防に該当するため誤りです。
選択肢ごとの解説
- 1. 日本では、成人男性の飲酒習慣者の割合は女性よりも高い傾向にあります。正しくは:成人における飲酒者の割合は、女性よりも男性の方が多い。選びやすい理由:飲酒習慣の変化や女性の社会進出を考慮すると、このような誤解が生じやすいかもしれません。混同注意:飲酒習慣の男女差と混同しやすいです。一般的に男性の方が飲酒習慣がある人の割合が高いです。
- 2. 正解。アルコール依存症は精神的な健康問題を引き起こしやすく、抑うつ状態や衝動性の増加から自殺のリスクが有意に高まります。
- 3. 近年、女性の社会進出やストレス増加などにより、女性のアルコール依存症の有病率は増加傾向にあるとされています。正しくは:女性のアルコール依存症の有病率は、増加傾向にあります。選びやすい理由:アルコール依存症全体の減少傾向や、男性の有病率減少と混同する可能性があります。混同注意:過去のデータや男性の傾向と混同しやすいです。女性のアルコール依存症は社会状況の変化に伴い増加傾向にあります。
- 4. 正解。妊娠中のアルコール摂取は、胎盤を通じて胎児に到達し、発育や脳神経系の発達に深刻な影響を及ぼし、胎児性アルコール症候群の原因となります。
- 5. 未成年者へのアルコール教育は、アルコール関連問題の発生を未然に防ぐことを目的としているため、一次予防に該当します。正しくは:未成年者への学校でのアルコール教育は、一次予防としての取り組みである。選びやすい理由:「教育」という言葉から、治療後の再発予防(三次予防)や早期発見・早期対応(二次予防)と誤解する可能性があります。混同注意:一次予防、二次予防、三次予防の定義と混同しやすいです。一次予防は発症前の予防、二次予防は早期発見・早期治療、三次予防は進行後の機能維持・社会復帰を目指します。
国試ポイント
アルコール関連問題に関する多角的な知識(疫学、健康影響、予防分類)を正確に理解しているかを問う問題です。特に、男女差、特定の集団への影響(妊婦・胎児)、および予防の概念(一次・二次・三次)を混同しないことが重要です。
混同注意
一次予防、二次予防、三次予防の定義;アルコール依存症の男女別有病率のトレンド;一般的な飲酒習慣と依存症の有病率;精神疾患とアルコール依存症の合併。
次に同じ論点が出たら
今後、薬物依存、ギャンブル依存などの他の依存症に関する問題や、各依存症における予防段階(一次・二次・三次)の具体的な施策について問われる可能性があります。
関連知識
アルコール依存症の診断基準(DSM-5、ICD-10)、アルコールの体内代謝と毒性、妊婦の飲酒による胎児への影響(FASの症状)、自殺予防対策、日本の飲酒実態調査データ。